ギタリストの作曲と、ピアニストの作曲との違い

ミュージシャンは作曲します。

しない人もいるけど。

ある程度経験があると
曲を聴いて、どの楽器をやる人が作ったかがなんとなくわかります。

つまりギタリストならギタリストの特徴がある曲、ピアニストならピアニストの特徴がある曲になるということです。

そして
ギタリストは、ピアニストが作る曲を嫌う傾向にあります(笑)

詳しくみていきましょう。

特徴

作曲した曲がどういう曲調になるか。
担当楽器別に見ていきます。

といっても、あくまでおおまかな傾向であって、必ずこうなるというものではないです。

ギタリスト

ギターという楽器は開放弦といって押さえなくても出る音があります。

ピアノは押さえないと絶対に音は出ません。

この開放弦があるからこそ、ギター特有の響きやフレーズが生まれます。
と同時に、開放弦を含むコードやフレーズだと平行移動しづらいという弊害も生まれます。

もちろん、できなくはないんだけど左手のフォームが変わったり、ポジショニングが変わったりします。

よってギタリストが好むキーというのが出てきます。

一般的には開放弦を多用できるC・D・E・G・Aなどになります。

これらのキーだったり、ギターソロがあったり、メインのリフ(繰り返し出てくるテーマみたいなもの)がギターなど

ギターが目立つ、またはギターが弾きやすいキー、であるなら
だいたいギタリストが作った曲です。

ピアニスト

ピアニストが曲を作るうえで、特に好むキーというのはありません。
あくまで曲を作るという観点では、ですよ。

表現として、個人的に好むキーは人それぞれあるでしょう。

ギターと違い、キーが変わったからといって手の形が大幅に変わるということがありません
白鍵・黒鍵があるので多少指の前後はしますが。

よってどのキーで作っても
ギターほどの「奏法の変化」、「難易度の変化」はありません

ギタリストがあまり好まないFやBフラット系のキーならば
ピアニストが作った可能性があります。

さらに転調しまくるとか、フラット系のキーからフラット系のキーに転調などしたら、ほぼ間違いなくピアニストが作ったものでしょう。

ギタリストからすると
フラット系からフラット系へ転調なんて、めんどくささの極みです(笑)

以前、レッスンで生徒さんが持ってきたあるバンドの曲を聞いて

「鍵盤が作ったみたいな曲だけど、鍵盤のメンバーいる?」と聞いたところ
「います。」とのことで。

後から調べると、やはり鍵盤の作曲だったということがありました。

わかりやすくフラット系ばっかりだったんです。

ベーシスト

さて、ベーシストが作る曲はどうでしょう。

どの楽器もそうですが、意識しないかぎり知らず知らずのうちに自分のパートが目立つような曲作りになりがちです。

ベーシストの場合は、オンコードの多用という形で現れます。
オンコードがわからない人は「オンコードの役割」を参考に。

ロックバンドなら派手なベースソロがあったり。
イントロがベースからだったり。

やっぱりベースが目立つようになっちゃう。

オンコードもベースソロなども、もちろんあっていいわけです。
が、やりすぎは禁物です。

やたらオンコードばっかりだな、って曲はだいたいベーシスト作曲です。

もしくは、ベーシストがイニシアチブを握っているバンド。

ベーシストの発言権が強く、元のアイディアからオンコードを多用するアレンジへと
どんどん変えていく。

オンコードってベースラインがスムーズになるので
ベーシストは弾いていて気持ちがいいんですよね。

だから、元のコードのルートを変えてオンコードばかりになったりします。

あと、なんとなくメロディにかなりこだわりがある人が多い気がします。
ギタリストやピアニストもメロディは重視するんだけども。

なんかね、ベーシストのメロディへのこだわりは一味違うというか。

普段、低音で支えてばっかりだから
主旋律を扱うとなるとタガが外れるんだろうか(笑)

ドラマー

ドラマーが作曲したらどうでしょう?
これはけっこう難しいところですね。

なぜなら、完全にドラムしかできないのに作曲する人ってほぼいいないからです。

だって打楽器だから。

ドラマーだけどギターもできる、とか
ドラマーだけど元々ピアノやっていた、とか

なんらかのメロディ楽器の経験がないと
作曲ってなかなかできないんですよ。

もちろんドラムの経験しかなくても作曲できる人はいます。
作曲=主旋律(メロディ)なので、風呂場で歌うような鼻歌でも立派な作曲です(笑)

でも、いわゆるプロのクオリティというか、それなりのものを作曲しようとすると
なかなかドラムのみの経験では難しいでしょう。

ということは、ドラマーでもギター経験者なのか鍵盤経験者なのかによってそれぞれの傾向が出てくるはずです。

バレないためには

自分がギタリストだとして
ギタリストの作曲したものとバレないためにはどうしたらいいでしょう?

バレないってなんやねん(笑)

答えは簡単、
前述したポイントを外す」だけです。

  • ギタリストなら頑張ってフラット系のキーで作ってみる
  • 鍵盤ならシンプルに転調なしで、調号(シャープ、フラット)のつかないコードで作ってみる
  • ベーシストならオンコードを多用しない、ベースを目立たせない

こうやればリスナーに「どの楽器担当が作曲したか」がバレにくくなります。

最後に

プレイヤーの作曲だけでなく、エンジニアにも似たような傾向が見られます。

ギタリスト兼エンジニアならやっぱりギターが前にでちゃうし、元ドラマーがエンジニアならドラムが前に出ちゃう。

自分の演奏や自分が好きな楽器の音は聞いてほしいと思うよね、人間だもの。

どの楽器担当かわかりやすいコテコテの曲を作るか
リスナーにバレないようにうまく誤魔化すか

結局は
楽曲に何が求められているか?
が大事になってきます。

両方をうまく切り替えられる人は、たくさん仕事もらえるかもしれないですが

あなたの個性は出にくくなるので注意してください(笑)

自分の作曲の癖というのはなかなか見極めにくいものです。

自身の楽曲がどういう傾向にあるか判断してほしいという方は、お問い合わせください。
プロ・アマ問いません★

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