「なかなか思うように上達しないなー。よし、プロの動画を見てみよう。」
こういう人は多いでしょう。
別に動画を参考にすること自体は悪いことではありません。
昔と違って、今は手軽に動画サイトなどでプロの映像を見ることができますよね。
しかし、ここに落とし穴があります。
プロの映像を見てもそこには
その時点での完成形しか映っていないからです。
プロの映像を見ても今のあなたではうまくなりません。
詳しく見ていきます。
最初からすごい人はいない
音楽だけに限らず、物事のレベルを上げていくには
それなりの順序があります。
プロのミュージシャンは最初から音楽のセンスがあったわけではありません。
プロのイラストレーターは最初から絵が上手かったわけではありません。
プロのアスリートは最初から記録を出せたわけではありません。
どんな天才ミュージシャンでも、どんな屈強なアスリートでも
例外なく
「なにもできない状態」
「なにも知らない状態」
から始まっています。
最初から凄い人はいないわけです。
誰もが初心者からスタートします。
そしてあなたが参考にしているのは初心者の映像ではありませんよね?
すでに完成したプロの映像です。
「なにもできなかった頃」
「なにも知らなかった頃」
の映像を見せてくれるプロはいません。
プロとは
プロとはどういう人達でしょう?
最初の
「なにもできない状態」
「なにも知らない状態」から
膨大な時間と労力をかけ、あれやこれやと試行錯誤し
経験を積みながら少しずつ技術を獲得し、今に至った人達です。
初心者とは雲泥のレベルの差があります。
「レベルの差=経験と努力の差」です。
ただ映像を見るだけでは、そのプロの努力のプロセスが抜けおちます。
プロの人たちの様々な努力のあとは映像では見てとれません。
プロが上手くなって到達した境地・結果だけを見るからあなたは上手くなれないんです。
ほとんどの場合
「なにがどうなっているのか」
「どういう技術なのか」
を理解することすらできません。
未熟なうちは自分のレベルも相手のレベルもわからないからです。
(上達したときの本当の感覚)
初心者には“何が凄いのかもわからせてもらえない”
のがプロです。
漫画ドラ◯ンボールで例えるなら
少年悟空の目の前にギニューとフリーザが突然現れたとしても(絶望)
もはや、どっちがどうとかわけわからんでしょう。
自分より強いというのはわかっても
何がどう、どれくらい強いのかは
全く理解できないはずです。
どうするか
プロの凄さを可能なかぎり理解するには、どうしたらいいか?
それは
できるだけ「細分化」することです。
例えば
- ピックの動きが細かいな、とか。
- コードチェンジが早いな、とか。
- 速いフレーズなのに指がバタついていないな、とか。
あくまで今の自分と違うと思えるところを
徹底的に細かく洗い出します。
一点集中です。
全体を比較して
「自分より左手も右手も速いし、正確だし、何もかもレベルが上」
って捉えると、何から対策をうっていいかわかりません。
だからできるだけ分割して、一つずつ潰していきます。
ピックの動きが細かいな、と思うのであれば
シンプルにピックをダウンアップで動かすことだけに集中します。
シンプルにすることで、
「このシンプルな動きですら真似できない」
「こんな初歩的なことですらプロとは違う」
ということに気が付くでしょう。
そこから
どうやれば無駄なく効率よく細かく動かせるか
を考えていきます。
そしてこの作業を思いつく限り、全ての動作に当てはめていきます。
これを続けていくと
上達するまで果てしない道のりだということを思い知らされます(笑)
意外な落とし穴
さて、ここまではプロとはどういう人かと
技術的な差について解説しました。
もう一つ意外な落とし穴があって。
それは
「体格の差」です。
見ているプロの映像が日本人の一般的な体格の人ならまだしも
海外の大柄なミュージシャンとかだと
全くもって参考になりません。
体格がデカいということは
普通に考えれば
「腕が長い」
「手がデカい」
ということです。
例えば自分が苦手なコードがあるとします。
そのコードの押さえ方を探ろうと海外ミュージシャンの映像を見て
「なるほど、こうやって押さえればいいのか」
と安易に真似をすると
ケガにもつながりかねません。
なぜなら、大きな手と小さな手では使い方が変わってくるからです。
同じくらいの体格・手の大きさでも
押さえ方はかわります。
指の長さや太さ、指先の厚み、指の開き具合など
個人差があるからです。
僕がレッスンで教えるときも
生徒さん一人一人に対して、個別に押さえ方を変えさせています。
それくらい、手の状態によって無理のない押さえ方というのは変わるんです。
海外の大柄なミュージシャンの手の使い方をそのまま真似たとしたら・・・
あなたの身体に合うわけがないでしょう。
最後に
プロの映像を見るなとは言いません。
何を真似できるのか・できないのか
をはっきり意識しましょう。
ステージ上での動き・パフォーマンスなどは多いに真似しましょう。
使用機材なども参考になります。あくまで参考程度ですが。
ギターを抱える位置(ストラップの長さ)や構え方
手の動き・押さえ方
これらを安易に真似するのは危険です。
かと言って、自分の身体に合っているかを自分で判断するのは難しいですね。
レッスンではそのへんも具体的にアドバイスしています。
気になる方はお問い合わせください★
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