ギターの種類一覧 〜わかりやすい見分け方・特徴〜

「ギターを始めてみたいけど、どんな種類があるのかわからない。」
「ギターをやっているけど、実は違いがよくわかっていない。」

こういう人は多いでしょう。

一口に「ギター」と言ってもいくつか種類があります。

ギターの種類を把握するには
見た目も大事、中身も大事、です。

というわけで、詳しく見ていきましょう。

どんな種類があるのか

ギターは一般的には大きく分けて

  • エレキギター
  • アコースティックギター
  • クラシックギター
  • フラメンコギター

の、4つの種類になります。

それぞれに特徴や適した奏法があり、用途や好みによって使いわけるんですが。

クラシックの曲はエレキでは弾けない、とか
アコギの曲はアコギでないと、みたいなことではなく、

弾こうと思えばどのギターでも弾くことができます。
(ただし、向き不向きはある)

大きい違いは
電気を使うか使わないか
貼ってある弦の種類
といったところでしょう。

では、それぞれを見ていきます。

エレキギター

エレキギターとはエレクトリックギターです。

electric=電気的な
という意味ですね。

ギターをシールド(ケーブル)でアンプに繋ぎ、
アンプでもってギターからの電気信号を増幅し、音を出します。

ギターからアンプへの接続
ギターからアンプへの接続2

アンプに繋いでガンガン弾くというのがエレキの醍醐味なんですが
住宅事情などもあり、普通の家庭環境ではなかなか全力で弾くことができません(笑)
音量的にね。

もちろん弦自体の生音は出るので、夜間などに練習する人は
生音か、アンプの音を絞って練習してください。

ヘッドホンが使えるタイプもありますが
耳への影響も考えて、音量はコントロールしましょう。

張ってある弦はスチール弦です。

スチール弦とは鉄ですね。金属。
厳密に言えば鉄以外も含んでいます。

押さえると硬い。
そして慣れるまで痛いです(笑)

エレキを始めた人の挫折ポイントの一つがこの弦の硬さでしょう。
指が痛くてやめる、という人もいます。

慣れると指先がやや硬くなるので押さえても平気になるんですが
どれくらいの期間で慣れてくるかは、練習時間などで個人差が出てきます。

アコースティックギター

“acoustic=聴覚の”
という意味があります。

楽器本来の音を聴かせ、電気は使わないということです。

アコースティックギター

アコースティックギタークラシックギターフラメンコギターがそれに当てはまりますね。

電気を使わないという意味では
エレキギター以外のほとんどの楽器が“アコースティック”なんでしょうけど。

アコースティックギター、略して“アコギ”です。

アコギもエレキと同様にスチール弦が張ってあります。
そしてタチの悪いことに(?)、エレキよりも弦高(指板から弦までの距離)が高いため
さらに押さえるのがキツくなっています。

エレキが無理な人には、アコギはもっと無理です。
こちらも慣れるしかありません。

エレキとは違い、ボディ部分が空洞になっているため音が響きます。
つまり生音はエレキよりもかなり大きいです。

こちらはこちらで夜間にジャカジャカ本気で弾くと、ご近所迷惑になります(笑)

アコギと言っても
最初からピックアップ(弦の音を拾うマイク)がついているものはエレクトリック・アコースティックギターということでエレアコと呼ばれます。

その他、後付けできるピックアップなんかもあります。

クラシックギター、フラメンコギター

クラシックギターフラメンコギターも先に書いたように電気は使いません。
そしてアコギ同様、ボディに空洞があります。

クラシックギター

じゃアコギと同じやん!
と思ったそこのあなた

ゲンコツです(笑)

アコギとの最大の違いは、張ってある弦
クラシックギターやフラメンコギターには、ナイロン弦ガット弦が張ってあります。

今はナイロンが主流だとは思いますが。

ナイロン弦やガット弦は柔らかいので、押さえてもスチール弦ほど痛くありません。
ガット弦っていうのは、羊や豚の腸を使ってある弦なんです。

んじゃクラシックギターとフラメンコギターの違いは?というと。

目的が違うというか。

フラメンコギターは歯切れの良い軽快なサウンドが求められるため
ボディに軽い木材が使われています。そしてややボディが薄い。

軽い材というのは色の薄い(明るい?)ものが多いので
見た目にもフラメンコギターはやや薄い色です。

プラス、フラメンコギター特有のゴルペ奏法(ボディを叩く)というもののために
保護の意味でゴルペ板という透明の板が取り付けられています。

ゴルペ板
ゴルペ板を取り付けたフラメンコギター

その他、細かい点では弦高も違ったりします。

一般的にはクラシックギターが高く、フラメンコギターはアコギと同じくらいです。
ある程度、好みもありますが。

線引きできない

人間はなんでもかんでも分類したがります。

一説には、言語というものは分類必要性があるときに発生するのだとか。

日本語では「蝶」と「蛾」は別物・別の言葉ですが
フランス語では区別はなく「papillon」です。

日本語とフランス語の違い

つまりフランス人は「蝶」と「蛾」の分類の必要性を感じなかったから
2つの言葉にはならなかったわけですね。

言葉というのは厳密に定義できないし、線引きもあいまいです。

アコースティックギターは電気を使いませんが
ピックアップがついている(=電気を使う)ものはエレアコといいます。

そしてパッと見はエレキギターでも、アコースティックに近いというか
“アコースティック”の名がつくものがあります。

ソリッドギター

電気を使うもの=エレキギター
ですが

一般的にエレキギターとして認知されているというか
ピンとくる人が多いのは、

ソリッドギター」と呼ばれるものです。

これはボディが完全に詰まっています。
もちろんピックアップとかスイッチ系統を入れる空間はあるけどね(笑)

木材の塊を使用し、必要な形に削っています。

ソリッドギターのボディ構造

フルアコ

フルアコースティック、略してフルアコ
でもエレキです(笑)

いわゆるアコギと同じようにボディの中が全て空洞
そこで音を共鳴させます。

木材の塊ではなく、板状のものを貼り合わせてボディを構築します。

フルアコのボディ構造

代表的なものは
Gibson社のES-175やGretsch社の6120(通称:ナッシュビル)など。

空洞なので非常にふくよかな、温かみのあるサウンドです。

英語圏ではフルアコではなく
Arched top guitar(アーチドトップ・ギター)と呼ばれます。

そのため
「ん?エレキなのにフルアコ?」
という混乱はおきないでしょう。

フルアコは和製英語なので
混乱がおきるのはおそらく日本だけです。

セミアコ

セミアコースティック、略してセミアコ

その名のとおりセミ(=semi)です。
部分的、にアコースティック。

代表的なものはGibson社のES-335など。

フルアコは全て空洞なので、音量がでかいとハウリングしやすかったりするんですが
そのデメリットを解消するために開発されたギターがセミアコです。

ボディの中心部にセンターブロックという材が通っていて
両サイドだけが空洞になっています。

セミアコのボディ構造

フルアコとソリッドの中間のようなサウンド。

まとめ

外観と、特徴をざっくり解説しました。

ギターのヘッドの形状でも見分けられますね。

エレキやアコギはソリッドといってヘッドに穴はなく
クラシックギターやフラメンコギターはスロテッドといって、弦を巻きつける用の穴が空いています。

ギターヘッドの形状

というわけでまとめると

電気を
 使う:エレキ、エレアコ
 使わない:アコギ、クラシック、フラメンコ


 スチール弦:エレキ、アコギ(エレアコも)
 ナイロン・ガット弦:クラシック、フラメンコ

ゴルペ板
 有り:フラメンコ
 無し:クラシック

ヘッドの形状
 ソリッド:エレキ、アコギ(エレアコも)
 スロテッド:クラシック、フラメンコ

という感じ。

ギターの種類・一覧

図で表すとわかりますが、明確に縦一直線で線引きできません

水色の囲みがエレキ、緑色の囲みがアコースティックと
一般的には言われますが、

エレアコは電気使うし、フルアコ・セミアコも一応「アコ」だし。

明確なのはクラシック・フラメンコの境界線ですね。

ナイロン・ガット弦で、ヘッドがスロテッド
これで他のギターとはっきり分かれます。

世の中にはギターなんてどれも同じだろう、と思っている人もいるようですが
それぞれに特徴があります。

自分の出したい音やりたいことジャンル
それらを考慮してギターを選ぶようにしましょう。

もちろん全部欲しくて全部買える人は
そうしてください(笑)

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