ギターを弾く上で避けて通れないのが「コード弾き」でしょう。
コード弾きとは“沢山の音を一度に鳴らすこと”です。
演奏スタイルとしてコード弾きを避けることは可能ですが
技術の向上・理論の理解をしていくにあたって
100%避けるというのは、やはり不可能です。
ではどんな音を鳴らすとかっこいいのか?
どんな音を鳴らすとマズイのか?
見ていきましょう。
コードの定義
コードとはなにか。
英語では「Chord」と表記します。
日本語では「和音」と言われますね。
ある高さの一つの音、これを単音といい
違う高さの音の組み合わせ、これを和音といいます。
一応、2つ以上音が鳴っていれば和音ということにはなりますが
コードの特色・機能・方向性などを醸し出すためには
最低でも3音必要です。
これを「三和音=トライアド」と言い
四和音のものはテトラッドと言ったりもします。
え?
特色?機能?方向性?
まぁ、そうなるよね(笑)
コードにはそれぞれ機能というか、おおまかな役割があるんですよ。
状況によって変化しない、絶対的な固有の特色と
状況によって変化する、相対的な「立ち位置」のようなものと。
ちなみに高さの違う音が2つ以上といいましたが、
ここでいう高さの違いとはピッチクラスの違いということです。
ピッチクラスとは音名のこと。
つまり、高いドも低いドも同じ「ド」として扱います。
ピッチクラスが違う(=音名が違う)音を
2つ以上重ねて和音です。
ドとオクターブ高いドを重ねても、和音とは言いません。
コードの種類
コードにはいくつかの種類があります。
と言っても
成り立ちそのものを指す種類と
先に述べた機能・立ち位置を指す種類とで
別物なので
それぞれ理解する必要があります。
成り立ちの種類
成り立ちそのものの種類としては
- メジャー
- マイナー
- ドミナントセブンス
- メジャーセブンス
- マイナーセブンス
- メジャーマイナーセブンス
- サスフォー
- ディミニッシュ
- ハーフディミニッシュ
- オーギュメント
- テンションコード
- オンコード(分数コード)
など、ざっと10種類以上あります。
これがさらにC7、D7、E7など、それぞれが12音階分あるので
10×12で
120種類を軽く超えてきます(笑)
それだけの数のフォームを覚えるのは大変です。
なので、初めはコードフォームの丸暗記でOKですが
頃合いを見て、コードの成り立ちの理解に切り替える必要があります。
機能・立ち位置の種類
機能・立ち位置を指す種類としては大きく3種類です。
- トニック
- サブドミナント
- ドミナント
というものになります。
もう一方の、成り立ちの種類は厳密にルールが決まっているので、覚えてしまえばOKです。
機能・立ち位置の種類は、一般的なルールがあるっちゃあるんですが
解釈によるものなので
ネットの情報や教則本によっては違うこと(解釈)が書いてあり
混乱しやすくなります。
ざっくり説明すると
トニックとは安定しているコード。
んでドミナントから帰ってきやすくなります。
これを「解決する」と言います。
サブドミナントはやや不安定。
トニックにも行けますが、どちらかというとドミナントに行きたがります。
ドミナントは不安定。
よってトニックに帰りたがります。
しかし、何をもってトニック、サブドミナント、ドミナントとするかは
前述したとおり解釈によるんです。
よって
一般的にはこう定義されているけど、こういう捉え方もできる
という柔軟な考え方が大事です。
コードの成り立ち
コードはあるルールに基づいて成り立っています。
これを理解するには、度数の知識とか色々必要になります。
詳しくはこちらを参考に。
「度数について」
「コードの成り立ち ~意味から考える~」
「コードの成り立ち その2」
「コードの成り立ち その3」
「コードの成り立ち その4」
「コードの成り立ち その5」
コードの覚え方
コードはダイアグラムで覚えることが多いでしょう。
ダイアグラムとは
- 鳴らすのか、鳴らさないのか
- 押さえるのか、押さえないのか
- 押さえるとしたらどのフレットか
などが視覚的に一発で理解できるようにした図のことです。
縦線がフレット(数字)、横線が弦(上1弦、下6弦)
枠外の◯は開放弦、×は鳴らさない
線上の●は押さえる箇所
という見方になっています。
そして、ローポジション(ギタのヘッド側)のオープンコード(開放弦を交えたフォーム)から覚えることが一般的ですが
実はこれ例外なんだよね(笑)
応用がききません。(簡単なコードは実は例外)
とりあえず、例外ということだけ覚えておきましょう。
初心者の方はやはりオープンコードから覚えるほうが無難です。
コードの弾き方
では実際に鳴らすときどう鳴らすのか?
コード弾きのコツとしては、左右の手でそれぞれ大きく一つずつあります。
左手のコツ
コードは複数の音を鳴らすので
左手の指はしっかり起こす必要があります。
ここが単音弾きとの決定的な違いです。
単音弾きのときは指が多少寝ていてもOKなんですよ。
他の弦の邪魔をしたところで音に影響ないから。
ところがコード弾きの場合、鳴らす必要のある他の弦に指が触れてはいけません。
例えばオープンコードのCなら
よくあるのが
- 人差し指が起きていなくて、1弦開放弦が鳴らない
- 薬指が起きていなくて、中指で押さえている4弦が鳴らない
というパターンですね。
人差し指と薬指が倒れてしまって、それぞれ1弦と4弦を邪魔しています。(赤バツ印)
右手のコツ
右手は
上から振り下ろすダウンストロークと
下から振り上げるアップストロークとがあります。
ダウンとアップの音量差や精度の差があまりないようにすることが理想です。
ダウンとアップを組み合わせることで様々なリズムパターン(ストロークパターン)になります。
シンプルなものから徐々に複雑なパターンへと発展させていきましょう。
また、基本的には全ての音を一気に弾くようなつもりでピックを素早く振り抜きます。
しかしこれは状況によるので、柔らかい感じとか色気、おしゃれさみたいなものを出したいときは
少しタメて、若干のタイムラグをもうけると良いです。
右手を振り抜くスピードは細かくコントロールできることが理想です。
一発「ジャン」と鳴らしたときの音の幅みたいなものの変化をつけることで
聞こえ方がガラッと変わります。
筆記用具で例えるなら
シャープペン、サインペン、太めの筆など自由自在に使いわける感じです。
うまい人がこれができますが、そうでない人は
何を弾くときもいつも同じ弾き方になっています。
では、
- 音量差や精度の差をなくすには?
- ストロークスピードをコントロールするには?
気になるでしょうが、このへんはかなり突っ込んだ技術の話になるので
ひとまずこの2点が大事という意識だけはしておきましょう。
レッスンではお伝えしています。
コードチェンジ
コード弾きの最大の難所はなんといってもコードチェンジでしょう。
単体で押さえるだけでも難しいコードもありますが、それらをできるだけ短い時間で次々に変えていく必要があります。
やみくもに練習してもなかなか上達しません。
コツを意識しながら練習しましょう。
詳しくはこちらを参考に。
「コードチェンジのコツ、そして落とし穴」
「コードチェンジで大事な指」
最後に
以上、コード弾きについて解説しました。
もちろんここに書ききれないことが沢山あります。
特に音の鳴らし方については
技術的なことなので文字では伝わりにくかったりするんですよね・・
「コードしか弾けない・・」
とお悩みの人も多いようですが
本当にちゃんと弾けていますか?
弾けているつもりになっていませんか?
コードをしっかり弾くというのも奥が深いんです。
詳しく知りたい・しっかり学びたい方は
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