楽器のプレイヤーたちはプロ・アマ問わず
テクニックというものを追求します。
そして、プレイヤーだけでなくリスナーも
そのテクニックに魅了されます。
テクニックを追求することはいいことですが
じゃテクニックって何?って話になります。
楽器の音を出すことだけに、とらわれてはいけません。
見えない部分・聞こえない部分のテクニックも大事です。
出している音よりも出していない音
弾くことよりも弾かないこと
これらに意識を向けることで、格段に演奏がよくなります。
上級者は必ずここにも意識をむけています。
テクニックとは
テクニックとは何でしょう。
technique = 技術ですね。
なにかの技術を指します。
中学生の頃
掃除の時間にサボって一輪車?(ゴミとか入れて押していくやつ)に乗って校庭を爆走していたら、
技術の先生にめちゃくちゃ怒られた僕です(笑)
楽器演奏で注目されがちなテクニックといえば
速い演奏でしょう。
- ギターの速弾き
- ドラムの高速連打
など、テンポが速く音数も多いと
見ている人は「おぉっ!」となります。
次に正確性かな。
- ミスがない
- 的確に狙ったポジション(フレット・鍵盤・打面など)を鳴らす
- リズムやテンポが揺れない
などですね。
正確な演奏こそがいい演奏だと思っている人も多いでしょう。
そうとも言えないんですが。
「速さ」「正確性」「楽器固有の奏法」
これらは全て、前述の「見えるテクニック」に分類されます。
どこを追求するか
見えるテクニックももちろん大事ですが
そこばかり追求しても上達はしません。
見えないテクニックこそが上級者への鍵であり、人を感動させるポイントだからです。
人を感動させると言いましたが、見えないテクニックなので当然見えていませんよ(笑)
ただ、この見えないテクニックがあるかどうかで
人が無意識的に受ける印象が変わるんです。
それが感動につながります。
具体的に見ていきます。
聞こえない部分
楽器演奏はついつい弾くところ、つまり音が聞こえる部分に意識がいきがちですが、
音が聞こえない部分が非常に大事です。
音が出ていない部分は空間です。
いわゆる「間」。
この「間」をうまくデザインしないと、聞いている人は疲れてしまいます。
ドラマや舞台のセリフなどで
役者がひっきりなしに喋っていたら、疲れますよね。
それと同じ。
僕も修行時代、先輩方から
「音の出し方と同じくらい、音の切り方にこだわれ!」
と怒られました。
間をいかに演出できるか、が見えないテクニックです。
弾かない部分
弾くという作業以外にも意識することはたくさんあります。
表情、視線、手足の動き
など。
ギタリストやベーシストならステージでエフェクターを踏むこともあるでしょう。
ただ単に切り替えるタイミングで、何の気なしにダラっと踏んでいませんか?
「踏み方」にもかっこいい踏み方とかっこ悪い踏み方があります。
切ない曲を弾いているピアニストがニコニコしていたら
聞いている人は意味不明でしょう。
音で表現したいものに、自身の感情もあわせないといけません。
ステージに上がってから降りるまで、一挙手一投足が見られています。
“かっこいい印象”を植え付けるのも見えないテクニックです。
悟らせない
どんなに上手なプロでも、時にはミスをしてしまいます。
しかし聞いている人のほとんどが気がつきません。
ここが上級者と並のプレイヤーとの違いです。
並のプレイヤーはミスするとバレます。
なぜなら、リカバリーしていないから。
つまり「ミス」→「ミス」として処理しているからです。
上級者はミスをしても、聞いている人に悟られないように
あることをして「ミス」→「演出」と処理します。
だから上級者のミスに気が付くのは
本人を含めて、ステージ上のバンドメンバー、観客の中にいる上級者だけです。
悟らせないのも見えないテクニックです。
「ミス」を「演出」として処理する方法は、レッスンでは詳しく教えています。
テクニックは進化する
楽器に限らず、全ての分野において技術というものは進化します。
昔のミュージシャンでも凄い人たちはたくさんいますが
技術的に参考になる人は少ないのかな、と感じています。
下手だって意味ではないですよ。
つまり、ある時代に技術的に卓越したプレイヤーAが出てきたとして。
その当時としては凄かったとしても、そのAのプレイを見て育った次世代のプレイヤーBが出てきて。
更に、そのBを見て育ったプレイヤーCが出てくるわけで。
王・長嶋が凄いといっても、今の野球キッズたちは大谷くんとかを見て勉強するんでしょう。
ロスオリンピックでメダルを獲った森末さんがやった技よりも遥かに高い難易度の技を
最近の若い体操選手たちはバンバンこなしています。
そういうことです。
功績を否定するつもりはありません。
昔の人が到達した素晴らしい技術は、次の世代の土台になるんです。
基本というか、押さえておくべきポイントになる。
最後に
先人たちの素晴らしい技術は
押さえておくべきポイント。
でも、そのポイントの捉え方を誤ると
ちょっと違うかなってことに陥ります。
全てを吸収、全てを鵜呑みにしてはダメなんです。
前回の「上手いギタリスト」の記事でも書きましたが
大事なのはこの人からはココ、この人からはココ、という風に、
いいとこ取りをしてしまうこと。
その作業を繰り返してひたすら技術を研鑽していくわけです。
ま、言うのは簡単だけど
実践するのは難しいんだな(笑)
どういうところを切り取って
どう自分の技術に活かしていくか。
気になる方はお問い合わせください★
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