コードの成り立ち その5

さて、いよいよやってきましたコードの成り立ちシリーズ最終回です。一旦ね(笑)

ここまで順に見てきた方は、徐々にコードの成り立ちが理解できてきたのではないでしょうか。
まだならこちらを。
コードの成り立ち ~意味から考える~
コードの成り立ち その2
コードの成り立ち その3
コードの成り立ち その4

前回はディミニッシュトセブンスコードを解説しましたが、今回も負けず劣らずの変な?コード
オーギュメント」です。

ではいきましょう。

オーギュメントとは

オーグメントと発音されることもあります。
正確にはオーギュメンテッドトライアド
トライアドとは三和音のことです。
つまりオーギュメント(augment)されたトライアド

augment=増やす、という意味です。
diminish=減らす、という意味でしたね。

ということは?

そうです、私が変なオジさ・・・
そうです、ディミニッシュの逆バージョンです。

じゃ、どこが増えてんねん ってことですが
メジャーコードのルート・長3度・5度のうち5度が増えます

構成音はルート・長3度・増5度となります。
Caugなら「C・E・G#(ド・ミ・ソ#)」です。

んー、不気味(笑)落ち着かないですねー。
ディミニッシュ同様、「暗く」「不安定な」コードです。

オーギュメントコードの特徴とは

オーギュメントコードの特徴は、こちらもディミニッシュ同様、“種類が少ない”ということ。

ディミニッシュは各音の距離(=度数)が全て短3度でした。
オーギュメントはというと
ド→ミ 長3度
ミ→ソ# 長3度
となります。そして、
ソ#→ドも長3度

全ての音が長3度の等間隔
ディミニッシュが短3度でずらすと構成音が丸かぶりになりましたが
オーギュメントも長3度でずらすと構成音が丸かぶりします。
そしてクルっと一周。

C・E・G#

E・G#・C

G#・C・E

C・E・G#

つまり
Caug=Eaug=G#aug
C#aug=Faug=Aaug
Daug=F#aug=A#aug
D#aug=Gaug=Baug
という関係になり
オーギュメントコードの種類は4種類になります。

ルートで区別すれば12種類ですが、構成音が丸かぶりになるので4種類。

このオーギュメントコードもディミニッシュトセブンスコード同様、単体では使いにくいコードなのでディミニッシュのように一瞬の経過や音の変化に使われます。

例えば
コードの動きがC→Caug→C→Caugといったとすると
構成音がCEG→CEG#→CEG→CEG#となり、
「G→G#→G→G#」という半音で行ったり来たりする変化が出ます。

同様に
C→Caug→Amといったとすると
CEG→CEG#ACE となり、
「G→G#→A」という半音で上昇する流れを作れますね。

Amを展開(音の並びをかえる)して、CEAとするならば
かなりスムーズに「G→G#→A」のラインが作れます。

オーギュメントもディミニッシュも暗く不安定なコードですが
他のコードの間に挟むことによって流れをよりスムーズにすることができます。

ただ不気味なだけのコードではありませんよ(笑)
うまく使ってやると効果絶大です。

まとめ

さて、全5回にわたりコードの成り立ちを見てきましたがいかがだったでしょうか?

長くなったけどこれ、まだ基本です(笑)
でも基本にして最重要項目です。ここでつまづくと先がありません。

テンションやらオンコードやらアッパーストラクチャーやら。
まだまだ色々ありますがとにかくここまでの成り立ち・構成音をしっかり把握しましょう。

丸暗記ではなく、
このコードのここを変化させたらあのコードになる、という風に関連づけて覚えていく
頭の中に定着しやすいです。

丸暗記ではすぐに忘れてしまいます。

そして、余裕があれば使用例やセオリーなんかも覚えていくと理解の幅が広がっていきます。
何度も反復して自分の中に落としこんでいってください★

コメント