楽器のオンラインレッスンはデメリットが大きい 〜受けてもいい条件〜

授業、会議、面接、飲み会、レッスン。

ある時期を境に
いろんなものがオンラインで実施される世の中になりましたが、

楽器のレッスンだけはオンラインにしないほうが良いです。

オンラインで楽器のレッスンを受けている人は上達しません

厳密に言うと、演奏実技のレッスンです。

理論などはまだオンラインでも対応可能ですが
演奏そのものの本質的なところは、オンラインでは教えられません

だから僕は実技のオンラインレッスンをやらないんです。

オンラインレッスンとは

オンラインレッスンとは文字通りオンライン、
つまりアプリケーションを使って、インターネット回線上で行うレッスンのことですね。

SkypeZoomなど、画面で相手と顔をあわせながら会話ができます。

端末画面の共有などもできるので、資料やテキストを使う会議・授業では
かなり需要があるのでしょう。

ある時期を境に爆発的に普及しました。

そして楽器のオンラインレッスンも例外ではありません

数年前まで、対面式の通常レッスンが主流でしたが、

対面レッスン

ここ最近では、オンラインレッスンをメインに展開している教室さんなどもあるようです。

オンラインレッスン

完全マンツーマンのオンラインレッスンもあれば、

ライブ形式というか
講師がリアルタイムで生徒のチャット質問に次々に答えていくという
グループレッスンもあったりと、

各教室さんごとに工夫・特色が見られます。

なぜオンラインをすすめないか

何度も言うように、僕は楽器のオンラインレッスンを全くすすめません。

対面レッスンにもデメリットはありますが
総合的に見て、オンラインレッスンのほうがデメリットが大きいからです。

ここからは講師目線生徒目線とを交えつつ
メリット・デメリットを紹介します。

オンラインレッスンのメリット

まず、オンラインレッスン最大のメリットはというと

家から出る必要がない、でしょう。

生徒側からすると
レッスンへ「通う」という行為が苦手・億劫で
モチベーションが続かない人もいるようです。

そういう人にとってはオンラインは非常に便利に感じます。

講師側からすると
教室という拠点を構える必要がないためコストがおさえられます。

さらに、全国対応や人によっては全世界対応が可能になります。
これはかなり大きなメリットです。

次に月謝が抑えられる、です。

これは教室さんにもよりますが
対面に比べてオンラインだと安くします、みたいなところが多いです。

生徒側からしたらありがたいでしょう。

講師側からすると、移動の手間が省けるし拠点の固定費もかからないので
月謝を下げることができるんです。

全国から生徒を募ることができるので
多少下げたところで運営には影響ありません。

オンラインレッスンのデメリット

さて、お待たせしました
デメリットの紹介です(笑)

オンラインレッスンの最大のデメリットは
レッスンの質が落ちる、です。

ここで冒頭の話につながります。

レッスンの質が落ちるから、上達しないんです。
ごく自然な流れですよね。

楽器演奏のレッスンは
生徒の出した音をダイレクトに聞いて、良し悪しを判断します。

生徒の音の状態から、どうアドバイスをしたらいいかを考えます。

対面レッスンのダイレクトな音

生徒の側からすると
講師の出した音をダイレクトに聞いて、感動したり自分とのレベルの違いに愕然としたり。

そういう経験を経て、上達していきます。

オンラインである以上、技術的な問題でどうしても
音の遅延が発生するし、そもそもが互いの端末のマイクとスピーカーを通した音になります。

フィルターがかかったような状態です。

オンラインレッスンのダイレクトではない音

講師の側も生徒の側も
よほどの高品質な機材を揃えるなら話は別ですが。

遅延に関しては
どんな機材を揃えたとしても完全に無くすことはできません

以前に比べて、通信速度や安定感は上がっていますよ?

が、やはりインターネットというインフラに依存している以上
常に安定した音と映像をやりとりできるわけではないでしょう。

デメリットその2は
集中がそがれやすい、です。

これは講師の側も生徒の側も同じです。

家というくつろげる空間にいると
やはりどちらも気が抜けます。

画面には映らないところで
家族がいたり、ペットが動いていたり。

別の端末の画面が気になったり、下半身がパジャマのままとか(笑)

集中をそぐ要素がたくさんありますよね。

教室という“場”であるからこと、講師も生徒も集中できるんです。

上達できる人もいる

例外的に、オンラインレッスンでも上達できる人はいます。

ただし、かなり条件は絞られてきます。

元々の素養がある

楽器、スポーツ、なんでもそうですが

いわゆる「勘のいい人」というのが一定数います。

言われたことを即座に理解して、難なく実行できてしまう人です。

こういう人はオンラインでも伸びます。
元々、楽器の経験者とかならなおさらです。

どこでつまづいているか

オンラインレッスンの最大の障壁は、音の遅延音質の変化です。

そして生徒側は必ずしもリズムや音質の部分でつまづいているわけではありません。

単純にコードの押さえ方がわからないといった
音を出す前の段階でつまづいているんだとしたら、

オンラインレッスンでも解決可能です。

しかし、「うまく押さえられない」という理由にも、

フォームが悪いだけの場合
手の使い方がまちがっている変なところに力が入っているなどの場合があります。

フォームが悪いだけなら画面越しでも解決可能ですが
手の使い方や筋肉の緊張などを詳しく見る場合には、画面越しでは不可能になります。

講師の質

上達できるかどうかは、

生徒側の反応(練習する、アドバイスをきく)と
講師側の対応(効果的なアドバイスができるか、生徒のモチベーションを保てるか)
で決まります。

生徒の状態をしっかり観察してアドバイスできる講師なら
オンラインレッスンでも上達は見込めるでしょう。

もちろん、アドバイスを聞いてしっかり練習したらの話です。

最後に

というわけでオンラインレッスンを受けてもいい人というのは

  1. センスや素養がある
  2. 音以外のところでつまづいている
  3. 講師の質がいい。そして自身もしっかり練習する

という場合だけです。

1、2、3全ての条件に当てはまっていたとしても
2というのはいずれ解決します

コードの押さえかたがわからない、と一生そこでつまづく人はいないでしょう(笑)

いつか音の部分でも必ずつまづきます。
よって長期的に見れば、オンラインレッスンに向いている人はいないということになりますよね。

あくまで限定的に。
自分が音以外のところでつまづいているときのみ、オンラインレッスンで上達・解決ができます。

子供が小さいときだけ生命保険に入るみたいな(笑)

自分の悩み・課題を見極めて「今ならオンラインでいける」と判断したなら
オンラインレッスンを申し込みましょう。

長期的に上達しつづけたいなら、絶対に対面一択です。

気になる方はお問い合わせください★

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