一般的なブログなら
「ブリッジミュートのやり方〜」なんて記事から書くんでしょうけど
いきなりのデメリット紹介です(笑)
ブリッジミュートは「ピッチ=音程」を犠牲にします。
ここに気がついていない人も多いんじゃないでしょうか。
プロでもね、けっこういるんですよ。
恥ずかしいブリッジミュートしている人が。
もちろんミュートをすることのメリットはありますよ。
ブリッジミュートのメリット・デメリットがわかったうえで
ミュートのあり・なしを選択するようにしましょう。
では詳しく見ていきます。
ブリッジミュートとは
ブリッジとはギターのボディ側の弦を止めている部分です。
様々な形式がありますが、エレキでもアコギでも同じ名称です。
ミュートとはmute つまり音を消すこと。
この場合、完全に消すわけではなく
やや消音というニュアンス。
そして「パーン」と鳴っていた音が、ブリッジミュートすることで
「ポン」とか「ブン」みたいな
短く、詰まったような、こもった音になります。
ブリッジミュートというと、ロックやメタルで思い切り音を歪ませて
「ズンズン」「ズクズク」のイメージが強いですが
どんなジャンルでも使えるし、外せないギターの奏法の一つです。
ブリッジミュートのやり方
では、ブリッジミュートはどうやるか?
前述したブリッジに、右手のいわゆる“手刀”部分を軽く乗せ、音を抑えます。
と言ってもブリッジだけに乗せても音は変わらないので、正確には
弦とブリッジが触れている点に乗せます。
ギターを抱える位置や、ピッキングのアングル、手首の角度などで色々変わってきますが
個人的には小指の付け根あたりが一番しっくりきますね。
このポイントだと肉?皮膚?が薄いので、ミュートのコントロールがしやすいです。
手首に近いポイントは肉の厚みが出てくるのでコントロールしにくくなります。
なんでもかんでも同じミュートの音になるというか。
ミュートにも音色があるからね、しっかりコントロールしましょう。
ピッチはどう決まるか
さて、冒頭でブリッジミュートはピッチを犠牲にすると書きましたが、
ギターやベースの場合、ピッチはどのように決まるでしょう。
ここがわかっていないとブリッジミュートが下手になります。
そもそも、弦楽器は弦を鳴らすものです。
弦というのは振動することによって音がなります。
そしてピッチはこの「弦が振動できる範囲=弦長」によって決まります。
弦長が長いときは音は低く、弦長が短くなるにつれ音は高くなります。
これをふまえて、ブリッジミュートとはどういう行為か?
ブリッジミュートは弦とブリッジが触れている点に右手を置き、弦の振動を抑えます。
しかし、右手が針のように極細の人はいません。
手の厚みがあります。
どんなにギリギリを狙ったとしても、手の厚みの分だけ弦長は短くなってしまいます。
ピンときましたか?
ブリッジミュートとはそもそもが
「弦長を短くする=ピッチを高くする」
という行為なのです。
どんなに上手い人がやったとしても、原理的に弦長が必ず短くなります。
ブリッジミュートをした時点で、ピッチは絶対に変わります。
ここを理解した上で、ブリッジミュートを選択しているのか? ということです。
解決法
ギターやベースや元々ピッチが不安定な楽器です。
そもそも完璧に合うことはないし、チューニングが狂う要素がたくさんあります。
だからと言って、チューニングやブリッジミュートをいい加減にしてもOK
ということにはならんでしょ。
ブリッジミュートは原理的に必ずピッチが高くなります。
高くなるのは仕方がないとして、最大限ピッチのズレをおさえようと思ったら
可能な限りブリッジと弦が触れている点のギリギリを狙う
ということしかありません!
大した解決法じゃないな(笑)
押さえる力加減も重要です。
ミュートの「ブン」「ズン」という詰まった音・こもった音を狙いすぎて
右手をぎゅーっと押さえつける人がいますが
こうすると手の厚みの分、押さえるポイントがネック寄り(ナット寄り)になってしまいます。
つまり、ギリギリのポイントから遠ざかるということです。
だから余計にピッチがズレちゃう。
肉まんを皿にフワッと置いたときと、皿にぎゅーっと押し付けたときと
どっちが皿との接地面積が広いですか? って話。
ピンポイントでミュートはするけども、必要最低限の設置面積にしましょう。
まとめ
何度も言いますが、ブリッジミュートは必ずピッチが高くなります。
できるだけそのズレを最小限におさえながらミュートをしましょう。
ブリッジミュートをするときのコツは
- できる限りギリギリのポイントを狙う
- できる限りフワッと押さえる
この二点です。
フワッと押さえるとミュートが軽くしかかからないので、不安になる人がいると思います。
特にメタルとか好む人は。
ミュートの音がズンズン出ないと!
メタルじゃない!
みたいな。
そもそも音を抑えるためにミュートしているんだから
そんなに大きく出らんでもいいでしょ(笑)
このへんはねー、ピッキングが上手ければ何の問題もないんですよ。
メタルのリフとかでよくある、ノーマルな音とミュートの音の使い分けってのは
結局メリハリなので。
軽くミュートしても、メリハリあるピッキングができれば
その“差”はうまく出せるわけです。
ピッキングが未熟だとメリハリがつけられないから
ブリッジミュートをズンズンかまして、それっぽく聞かせているだけです。
じゃ、メリハリのあるピッキングは
どうすんのかって?
企業秘密(笑)
気になる方はレッスンにお越しください★
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