好評につき? コードの成り立ちについての第4回です。
みなさん、ついてきていますか?
「コードの成り立ち ~意味から考える~」
「コードの成り立ち その2」
「コードの成り立ち その3」
こちらも確認しましょう。
前回は主にsus4について解説しました。
3度のない特殊なコードでしたが今回はさらに特殊なコードになります。
その名も「diminished 7th chord」
ディミニッシュトセブンスコード!!
ディ、ディミニ・・・?
何やら難しそうな名前ですね(笑)
では、いってみましょう。
ディミニッシュとは
diminish=減らす、少なくするといった意味です。
つまり何かが減っているんでしょうね。お腹ではないです。
ディミニッシュトセブンスコードは日本語で「減七和音」といいます。
第二回でやったドミナントセブンスコードを「属七」といいますが、その属七和音のルート以外の音を減らす、つまり半音下げると導かれるコードです。
ドミナントセブンスはルート、長3度、5度、短7度でした。
ここから、ルート以外を半音下げると構成音は
ルート、短3度、減5度、長6度となります。
C(ド)のディミニッシュトセブンスコードならば「C・E♭・G♭・A(ド・ミ♭・ソ♭・ラ)」です。ラは元のシ♭からさらに半音下げたという意味なので、成り立ちとしては「シ♭♭」です。
こうなります。何やら怪しい響きですね(笑)
コードには機能や方向性があるとさんざん言っていますが
ディミニッシュトセブンスコードは明るい・暗いで言うと暗い
安定・不安定で言うと不安定なコードです。
ディミニッシュトセブンスコードの特徴とは
ディミニッシュトセブンスコードの最大の特徴は、“種類が少ない”ということ。
突然ですが、音階の話になります。
音階は12個ありますね。
ド・レ♭・レ・ミ♭・ミ・ファ・ソ♭・ソ・ラ♭・ラ・シ♭・シの12種類です。
コードは、一番ボトムにある音・ルート(根音)から音を積み上げたものです。
音階が12種類ということは、その各音階から作られるコードも12種類のはずです。
うんうん、当たり前じゃん!と思ったそこのあなた
ゲンコツですよ(笑)
第1回で出てきたメジャーコードは12種類あります。
Cメジャー、D♭メジャー、Dメジャー、E♭メジャー、〜と続きます。
そもそもなぜ12種類かというとコード構成音の各音からみた度数(=距離)が違うからです。
Cメジャーならド・ミ・ソです。
ドからみたミは長3度
ミからみたソは短3度となっています。
試しにメジャーコードを全て書き出してみましょう。
C:ド・ミ・ソ
D♭:レ♭・ファ・ラ♭
D:レ・ファ#・ラ
E♭:ミ♭・ソ・シ♭
E:ミ・ソ#・シ
F:ファ・ラ・ド
G♭:ソ♭・シ♭・レ♭
G:ソ・シ・レ
A♭:ラ♭・ド・ミ♭
A:ラ・ド#・ミ
B♭:シ♭・レ・ファ
B:シ・レ#・ファ#
となります。
どうでしょう?
かぶっている組み合わせはありませんよね?
それぞれの音の距離が違うので、一つずつずらしていってもかぶることはありません。
よってメジャーコードは12種類です。
同様にマイナーコードやセブンス系の4つも12種類です。もちろんsus4もです。
んで!ディミニッシュトセブンスコードは、というとC・E♭・G♭・A (ド・ミ♭・ソ♭ラ)でした。
各音の距離は、
ド→ミ♭ 短3度
ミ♭→ソ♭ 短3度
ソ♭→ラ 短3度
となります。
なんと、全て短3度!
全ての音が等間隔。
順番に見ていくと
Cdim:ド・ミ♭・ソ♭・ラ(シ♭♭)
D♭dim:レ♭・ミ(ファ♭)・ソ(ラ♭♭)・シ♭
Ddim:レ・ファ・ラ♭・シ
E♭dim:ミ♭・ソ♭・ラ(シ♭♭)・ド
はい、ストップ!
CdimとE♭dimをよーく見比べてみてください。
構成音が同じですね。
それぞれの間隔が短3度なのでルートが短3度分ずれると構成音が丸かぶりするというわけです。
そして短3度ずつずれていってクルっと一周します。
C・E♭・G♭・A
↓
E♭・G♭・A・C
↓
G♭・A・C・E♭
↓
A・C・E♭・G♭
↓
C・E♭・G♭・A
つまり
Cdim=E♭dim=G♭dim=Adim
D♭dim=Edim=Gdim=B♭dim
Ddim=Fdim=A♭dim=Bdim
という関係になり
ディミニッシュトセブンスコードの種類は3種類になります。
まぁ、厳密に言えばルートが違うから12種類っちゃ12種類なんだけど
構成音上、丸かぶりになるので3種類というわけです。
面白いですね〜。
そしてこのディミニッシュトセブンスコードもマイナーメジャーセブンスコードなどのように
不安定な響きなので単体で成立しにくいというか、一発ガーン!!と鳴らすのにはむいていません。
主な使い方としてはパッシングディミニッシュといって
あるコードとコードの間を一瞬埋める(通り過ぎる=パッシング)といった使いかたや
ドミナントセブンスコードの代理として半音上のディミニッシュトセブンスコードを使う、
という方法があります。
このへんについてはまた別の回に。
最後に、さんざん「ディミニッシュトセブンスコード」と連呼してきましたが
一般的には「ディミニッシュ」で通用します(笑)
ディミニッシュは三和音でディミニッシュトセブンスは四和音という解釈もありますが
結局、短3度の積み重ねで構成音がループするんだから同じでいいじゃん、ってね(笑)
「コードの成り立ち その5」に続きます★
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