今回はドラマーの紹介です。
最初に紹介するプレイヤーはどうしてもこの人にしたかった。
はい、出ました
Dave Weckl(デイヴ・ウェックル)様。
いやー、つい「様」をつけたくなるくらい好きすぎて。
もうね
教科書のような、完璧と言ってもいいくらいのプレイです。
全てのドラマーにとって、参考にするべきポイントがあるドラマーでしょう。
みんな真似しろって意味ではないよ。
来歴
1960年
アメリカ、ミズーリ州はセントルイスに生まれます。
いわゆるセッションドラマーですね。
ジャンルはジャズやフュージョン。
両親が音楽好きらしく、その影響からか
8歳ごろからドラムに触れはじめたそうで。
高校時代から本格的に活動を開始。
大学でジャズを学んだのちにプロキャリアをスタートさせています。
1986年、世界的なジャズピアニストChick Corea(チック・コリア)に見出され、
ベーシストのJohn Patitucchi(ジョン・パティトゥッチ)と共に
The Chick Corea Elektric Band(チック・コリア・エレクトリック・バンド)に参加。
このチックコリアエレクトリックバンドは当初、
デイブ、チック、ジョンのトリオ編成だったらしいんですが
すぐにギタリストのScott Henderson(スコット・ヘンダーソン)が加わり
4人編成になっています。
どんだけ凄腕ばっかり集めんねん(笑)
1990年にはソロアルバム
「Master Plan」をリリース。
僕も持っています。
1曲目の「Tower of Inspiration」を、最近になって叩いている映像もあります。
さらに磨きがかかっていますねー。
1991年ごろチックコリアの元を離れ
1998年にバンド名義Dave Weckl Bandのアルバム
「Rhythm of the Soul」をリリース。
Simon&Garfunkel(サイモン&ガーファンクル)のPaul Simon(ポール・サイモン)のバックを始め、
Mike Stern(マイク・スターン)
Madonna(マドンナ)
Robert Plant(ロバート・プラント)
George Benson(ジョージ・ベンソン)
Anthony Jackson(アンソニー・ジャクソン)など
錚々たるメンバーと共演を果たし
精力的に活動を続けています。
Dave Wecklの特徴・スタイル
Dave Wecklの特徴はなんといっても
複雑かつ緻密なリズム、手数の多さ、スムーズなドラミング。
身体の動きが滑らかなので簡単に叩いているように見えるんですが
超絶技巧ですよ、なかなか真似できない。
YAMAHAのドラムセットを長年使用しているようで。
手数が多いわりには、セットはあまり大規模ではありません。
どちらかというと太鼓よりシンバルのほうが多いかな。
シンバルの音色や使い分けには、人一倍こだわりがありそうです。
そして、一聴してわかるように
手数が多くても、非常に耳ざわりがいい音です。
手数の多いドラマーって、だいたいうるさいんだよね(笑)
うるさくないということは、力任せで叩いていないということなんですよ。
身体操作がめちゃくちゃウマい。
スティックの持ち方はレギュラーグリップ。
さすがジャズドラマーという感じ。(ドラムスティックの握り方)
Dave曰く
「調子のいいときほどスティックが飛んでいきそうになる」とのことで。
これはギターにも通ずるものがありますね。
ピックも飛んでいきそうなくらいのギリギリの力加減で持ったほうがスムーズに弾けるんです。
ギターが上達したい人、ドラムが上達したい人はこのへんをヒントに練習しましょう。
さて、Daveとよく比較されるドラマーに
Vinnie Colaiuta(ヴィニー・カリウタ)がいます。
こちらも非常に手数の多いドラマーですが
Daveとは対照的に野性味あふれるというか(笑)
繊細さやクレバーさみたいなものはあまり感じません。
あくまで相対的にですけど。
どちらが上とかではなくプレイスタイルの差です。
DaveにはDaveの
VinnieにはVinnieの良さがあります。
天才でもへこむ
1989年に、伝説的ドラマー故Buddy Rich(バディ・リッチ)のメモリアルコンサートで、
DaveとVinnieとSteve Gadd(スティーブ・ガッド)がドラムバトルを披露しています。
この三人が並んでいるだけで気絶モンだわ。
この時を振り返り、Daveは
「二人に完敗した」
「非常に悔しい思いをした」
と後に語っています。
ど、どこがですの?(笑)
確かにキャリア的にも年齢的にも、Gaddがやや格上なのは否めませんが。
全然ひけをとっていないでしょ。
このへんはもうトッププレイヤー同士にしかわからない領域なんだろうね。
最後に
僕は、特にDaveのシンバルの音が凄く好きなんですよ。
「ガーン」「ガシャン」とかではなくて
「ピシッ!」「ズバッ!」みたいな。
キレのある音。
これはねー、なかなか出せない音色です。
僕はギタリストが本職なので
そんなシンバルの音を出せなくても仕方がない、と自分を甘やかします・・
キレのある音を出すにはね、
キレのある身体操作をすればいいんです。
ギターではできるんだよ、ドラムではまだできんけど(笑)
まぁね、僕ごときが簡単に真似できるようなものじゃありません。
端正な顔立ち。
繊細かつパワフルに繰り出される超絶技巧。
唯一無二、素晴らしいドラマーです。
本当にカッコイイ!
若い頃から体型もほとんど変わっていないところを見ると
ストイックな方なんでしょう。
Vinnieは肥えたみたいだけどね(笑)
最後にソロパフォーマンスものも載せておきます★
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