ギターやベースのネック(指板側)は、まっすぐではありません。
カーブしています。
気づいていましたか?
裏側がまっすぐでないのは気づいていたでしょう(笑)
このカーブ、演奏面でかなりの重要ポイントです。
これを意識しないと、あなたは上達できないかもしれません。
指板のRとは
指板面のカーブのことを「R」といいます。
指板を横(ブリッジ側またはヘッド側)から見ると
カーブしているのがわかるでしょう。
Rというのはradius(ラディウス)の頭文字をとったもので
「半径」という意味です。
では、何の半径か?
指板面を円周の一部と見たてて
その円の半径のことを指しています。
こんなかんじですね。
断面図です。
黒線がネックで、太めの線が指板面です。
表記の数字はインチ。
ミリ表記の場合もあります。
Rの数字が大きくなるほど円周が長くなる、つまりカーブが緩くなりフラット(平面)に近づきます。
7.25Rよりも16Rのほうがよりフラットなわけです。
当然ですが、メーカーやギターのタイプによってRは変わってきます。
フェンダー社は7.25R、ギブソン社は12Rをよく採用していますが
全部がそうというわけでもありません。
ちなみにクラシックギターは完全フラットなものが多いです。
カーブがあるものをラディウス指板
フラットなものをフラット指板
といいます。
クラシックでないかぎり
まず間違いなくラディウス指板だと思ってOKでしょう。
Rが違うと何が違うのか
あまりギターになじみのない人からすると
カーブが違うって言っても微々たるもんでしょ?
なんて思いますよね。
ところがどっこい、めちゃめちゃ違います(笑)
弾き心地がね、もう全くと言っていいほどです。
左手だけではないですよ。
右手もです。
それぞれのメリット・デメリットを比較しましょう。
Rがキツイ(数字が小さい)もの
Rがキツイ、つまり円周の数字が小さいものは
面が丸みを帯びています。
この形はコードが押さえやすいです。
面のカーブが、押さえたときの指のカーブにフィットします。
ラディウス指板でやっとこさコードが押さえられる、って人は
おそらくフラット指板ではコードを押さえることができないでしょう。
また、物理的な問題で弦高がやや高くなるので
弦の張りが強くなり「パン!」と力強いサウンドになりやすいです。
物理的な問題というのを簡単に説明すると
指板自体のカーブと、弦を張ったときの並びのカーブにズレが生じるからなんですが
細かい話はまた別の回に(笑)
弦高が高くなるということは
押さえたりチョーキングなどのときに多少力が必要になってくるということ。
というわけで
メリット:コードがおさえやすく、張りのあるサウンド。
デメリット:押弦やチョーキングに多少の力が必要。
Rが緩い(数字が大きい)もの
Rが緩くなればなるほど、指板面は限りなくフラットに近づいていきます。
特徴としては、Rがキツいものの逆と考えればOKです。
弦高を低くしやすいので押弦にあまり力がいらず
速弾きやタッピングなどがやりやすいです。
丸みが少ないため
コードを押さえにくくなります。
と言っても
あくまで相対的に、なので。
Rが緩いとコードが弾けない、とかではないですよ。
ただね、Rのキツいギターに慣れていると
クラシックギターを弾いたときに指板面がエグれているような錯覚に陥ります(笑)
というわけで
メリット:弦高をかなり低くできるため、押弦が楽。
デメリット:コードが押さえにくく、ハリのないサウンドになりやすい。
最後に
総合的に考えると
Rがキツいものはバッキングむき
Rが緩いものはテクニカルなソロプレイむき
といった感じですね。
一般的な傾向です。
Rがキツくたってテクニカルなことをブリブリ弾く人もいるし
Rが緩くたってバッキングがめちゃくちゃ上手い人もいます。
Rが緩いものは弦高を低くできると言いましたが
低けりゃいいというものでもなくてね。
低すぎるとチョーキングなどの際にビビり(バズ音)が出やすくなります。
今回は指板面、つまりネックの表の話でしたが
裏は裏でいろいろあります。(ギターのネック形状 〜自分にあったシェイプの選び方〜)
ネックはギターの命といっても過言ではありません。
自分がどういうものを弾きたいかを考えてネック・指板の形状を選ぶことが大事です。
「首をとる」
「首にする」
首にまつわる事は何かと死活問題に繋がりますよね。
ネックを意識して、自分のプレイに活かしていきましょう★
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