ギターやベースの形状といえば、ほとんどの人がボディの形状を思い浮かべるでしょう。
たしかにボディの形状は弾きやすさにも関わってくるので重要です。
(レスポールタイプのギターが嫌い 〜弾きにくいギターたち〜)
しかし、ボディの形状と同じくらい気にしてほしいのが
ネックの形状です。
「ギターのネック、指板Rって?」で表の話をしたので
今回はネックの裏側の話です。
普通の人はこちら側に親指がくるはずです。
なんと、僕もそうなんです。
親指をどこに置くかでギターの弾きやすさは格段に変わります。
そのため、ネックの形状も非常に重要になってきます。
そもそもどこの話?
ギターのネック、というと
この部分全体(赤丸)を指す、と思っている人が多いかと思います。
決して間違いではないんですが、厳密にはこの赤丸部分の
表面を「指板」
裏面を「ネック」または「ネックグリップ」
と、表と裏で使い分けたりします。
ここから先は、本来の意味で
裏側のことをネックと言うようにします。
そしてこのネックの形状は、
ネックシェイプ、バックシェイプ、ネックプロファイル
などと呼ばれます。
どんな形状があるか
ネックの形状は
- Cシェイプ
- Uシェイプ
- Vシェイプ
と、大きくわけて3種類ほどありますね。
黒の太いラインは指板です。
ネックシェイプは、指板の反対側のラインのことを指します。
こんな感じ。
ここが何ミリとか、カーブの曲線がどうたら、みたいに
厳密に「シェイプ」の定義が決まっているわけではありません。
なんとなく断面図で見た時の形状でその名がついています。
Cシェイプ
一般的には、このCシェイプが多い気がします。
よって多くの人にとって
一番馴染みのある、“安心できる”形状かもしれません。
3つのシェイプの中では一番薄いため、あらゆるプレイスタイルに適応します。
手が小さい方はこれ一択といってもいいでしょう。
Fenderのストラトキャスターは
このCシェイプの採用が多いです。
もちろん例外もたくさんありますが(笑)
Uシェイプ
次にUシェイプ。
これはCシェイプに比べて少し厚みが出ますね。
図では角ばってしまいましたが、もっと自然なカーブです。
厚みがあり、Cシェイプを逞しくした感じなので
フィット感はかなりあります。
こちらは反対に、手が小さい人は弾きづらいかも。
もうね、明らかに厚みが違うんですよ。
CシェイプからUシェイプに持ち替えたら、手にズシンとくる感じ。
なじまず、ギターから拒絶されている感すらあります(笑)
だから手の大きい人向きです。
そしてクラシカルグリップ向き。
握りこみにくいため、シェイクハンドグリップにはあまり向いていません。
Fenderのテレキャスターに多く採用されているタイプです。
Vシェイプ
Vシェイプは握りこみやすいです。
Uシェイプとは反対に、シェイクハンドグリップ向き。
特にストラップを長めにしてギターを低く構えるときは
握りこんだほうがコードが押さえやすくなります。
ちなみに、ストラップを長くするのはオススメしないけど(笑)
(ギターやベースのストラップの長さの重要性)
見ての通りVの字なので、握ったときに手のひらに当たっている感というか
刺さっている感があります。
慣れないと気持ち悪いです。
同じVシェイプでも
ソフトV(緩めの鋭角)やハードV(キツめの鋭角)なんかがあります。
どれを選ぶか
ネックの形状が違えば
単純に握った感じが違います(笑)
プレイスタイルにも影響します。
それから重要なのは音。
ネックの太さは音にかなりの影響を与えるんですよ。
この3つで比較するなら厚みがあるUシェイプが一番太い音がしますね。
ズン、とくる感じ。
ちなみに
ヘッド側がVシェイプでボディ側に向かうにつれCシェイプになるというものや
左右非対称(1弦側・6弦側で違う)のアシンメトリーというものもあります。
こうなるとね、どれ選んだらいいのって話だけど。
シェイプのバリエーションは色々あるし、同じシェイプを採用していても個体差があるので、
手の大きさ、プレイスタイル、出したい音
を考えた上で選んでいくのが理想ですが、
最終的には、弾いてみて違和感のないものを選びましょう。
ざっくり表にするとこんな感じ。
あくまでも傾向・向いているという点であって
こうじゃなきゃというルールではありません。
僕はストラップが短めだし、シェイクハンドグリップは基本的にしないので
Vシェイプは好みません。
そしてズンとくる感じのサウンドは好きではないので
Cシェイプを好みます。
選び方としてはこんな感じで充分でしょう。
最後に
ネックの形状を色々と解説しましたが
冒頭でも述べたとおり、結局どこに親指を置くかに関わってくるんですよ。
親指が手の平の中(青点線より内側)に入りすぎると
途端に他の指の動きが悪くなります。
瞬間的に内側に入ることはあっても、基本的にはこのラインよりも外に親指を置きます。
指板を押さえているときに親指がどこにあるかを常に気にしましょう。
身体の造りに逆らわないことが大事です。
身体の造りを意識するだけで、演奏は飛躍的に向上します。
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