ひさびさの歌詞考察シリーズ。
今回は、少年時代の僕の心を激しく揺さぶったロックな曲
氷室京介さんの「KISS ME」です。
個人的にはね、氷室京介さんは
日本一かっこいいボーカリストだと思っています。

カッコつけ方がカッコいいというか。
普通の人がやったらカッコ悪いであろうことも
この人がやるとなぜかカッコいいんですよ。
ちなみに僕も20代の頃は
この写真のような髪型と服装をよくしていました(笑)
曲は1992年のリリースです。
名曲揃いの氷室さんの中で
最大のヒット曲であり、唯一のミリオンセラーを記録。
全てのベストアルバムに収録されているため
まさに代表曲と言ってもいいでしょう。
洗練されたサウンドとは対照的に、かなりダークな内容になっています。
あくまで僕の解釈なので。
悪しからず。
Kiss me その唇 その胸 逃がさない
Kiss me 孤独な夜 いますぐ消してくれメビウスのhighwayを駆ける夜
泣き出した まなざしが痛い吐息だけの赤いrouge
嘘をついた傷口のようだねKiss me 思い出まで捨てたら許せない
Kiss me いま二人 ひとつになれるから凍えてる三日月が堕ちてくる
沈黙を引き裂いて燃えるさらけだす心さえも
愛はなにを疑い続けるのKiss me その唇 その胸 逃がさない
Kiss me 孤独な夜 いますぐ消してくれおまえの瞳をみつめたまま
狂うのなら それでもかまわないKiss me なにもかも悲しく見えるけど
KISS ME / 氷室京介
Kiss me なにもかも壊れたリアルでも
Kiss me 思い出まで捨てたら許せない
Kiss me いま二人 ひとつになれるのさ
ひとつになれるのさ
永遠になれるのさ
いきなりのサビ
KISS ME その唇 その胸 逃がさない
KISS ME 孤独な夜 いますぐ消してくれ
開始わずか7秒でいきなりのサビですね。
しかもドキッとさせられる内容です。
「その唇 その胸 逃がさない」とか面と向かって言えますか?(笑)
登場人物は男性と女性でしょう。
恋人同士と思われます。
男性は女性に対してかなりの執着があるようです。
そして「孤独な夜〜」から
女性に、側に居てほしいという欲求が窺えます。
「いますぐ」というワードと、「消してくれ」という強い口調から
かなり焦りというか、どうにもならないもどかしさみたいなものも感じますね。
この時点で、男性の抱える闇が
早くも露呈しているようです。
Aメロ
メビウスのhighwayを駆ける夜
泣き出した まなざしが痛い
もう、かっこよすぎ(笑)
メビウスのhighwayて!
街中を複雑に走る高速道路、特にジャンクションは
見た目もメビウスの輪に似ています。

また、表が裏になり裏が表になり、と
終わりのない形から、
「気まずい空気=終わりがないかのような長い時間」
というメタファーとも捉えられます。
気まずい空気の中、女性は泣き出したわけです。
いったい、なにがあったのか・・・
Bメロ
吐息だけの赤いrouge
嘘をついた傷口のようだね
ここはメタファーではなく、直接的な表現です。
吐息だけ、ため息だけ、の何も言わない女性は
なにか「嘘をついた」んですよ。
男性からしたら「裏切り行為」でしょう。
「傷口〜」とは男性側の心の傷でもあり、
罪悪感からくる女性側の傷でもあります。
「赤いrouge」というのがまた印象的ですね。
当時、バブルの名残で
女性はワンレン・ボディコン・真っ赤なルージュみたいな時代でした(笑)
2サビ
Kiss me 思い出まで捨てたら許せない
Kiss me いま二人 ひとつになれるから
ここでなんとなく全容が見えてきます。
「思い出まで捨てたら許せない」
ここから、過去と決別しようとする女性の思いと
それが許せない男性の思いが感じられます。
女性側は別れを切り出したんでしょう。
それも“自分が裏切り行為をしておきながら”です。
そして男性側は
「許さない」と言っているのではなく
「許せない」と言っています。
自分でもどうにもできないくらい
深い怒りと嫉妬を感じています。
「いま二人 ひとつになれるから」
これは男性側の希望なのかもしれません。
「そうなりたい」「そうあってほしい」
男性の切なる思いです。
2A
凍えてる三日月が堕ちてくる
沈黙を引き裂いて燃える
ここは少々、解釈が難しいところですね。
「凍えてる」=時が止まっている・停滞
といったところでしょうか。
「堕ちてくる」とは文字通り月の位置が低くなる、
つまり時間の経過を表しているのかもしれません。
そこからの「沈黙を引き裂いて〜」です。
しばらくの間、なんとも言えないモヤモヤした時間が過ぎたあと
突如として何かが「燃える」んです。
気持ちの糸が切れたのかもしれません・・・
「三日月〜」のくだりが、時間の経過を指していないんだとすれば
「気がふれる」というようなニュアンスなのかも。
昔から月には不思議な魔力というか、人を狂わせるというようなことが言われてますからね。

ラテン語で月のことを「luna」と言いますが
「狂気」を指す言葉が「lunacy」です。
オオカミ男も月夜に変身するでしょう。
満月だけど(笑)
2B
さらけだす心さえも
愛はなにを疑い続けるの
ここも少し難しいところですが。
「さらけだす心〜」
これを、白状した女性のことを指しているんだとしたら、
「まだ他に隠していることはないのか」という男性側の疑りを表します。
逆に
男性側にも以前から何か問題があって、正直に話したところで
女性側が「信用できない」と言っているのかもしれない。
あなたのことを信用できないから「裏切り行為」をした、と。
よくある話です。
男の浮気は男が悪い
女の浮気も男が悪い
って言います。
納得いかんよな(笑)
3サビ〜3B〜4サビ
2番のサビ(3サビ)は冒頭の繰り返しです。
「やっぱり逃さない」
「忘れられない」
という思いの強調でしょう。
そして問題なのが3B。
おまえの瞳をみつめたまま
狂うのなら それでもかまわない
僕はこの部分を長いこと
「強い愛情表現」だと思っていました。
つまり
「君が魅力的だから、君の瞳がステキだから
俺はその瞳をみつめるとおかしくなりそうだ
それでも構わないほど君のことを愛している」
という解釈です。
ところが
後半の4サビを読んでいくうちにふとあるイメージが湧いたんです。
Kiss me なにもかも悲しく見えるけど
Kiss me なにもかも壊れたリアルでも
Kiss me 思い出まで捨てたら許せない
Kiss me いま二人 ひとつになれるのさ
ひとつになれるのさ
永遠になれるのさ
「なにもかも悲しく見える」「なにもかも壊れたリアル」
ここで何かが終わってしまった感が出ています。
もちろん一つの恋愛が終わってしまった
というストレートな解釈も可能でしょう。
でも「壊れたリアル」というのが妙にひっかかるんですよ。
あと、サビ前の一瞬のブレイク。
(本来はバンド全体の音が消えるところ。この場合はギターとドラムだけになっている)
4サビ直前(2:23〜)だけが明らかに
2サビ直前(0:47〜)、3サビ直前(1:30〜)と雰囲気が違うんです。
何かが起こってしまった感があります。
リアル=現実です。
んで「壊れた=取り返しのつかない」という見方もできます。
悲しく見える、取り返しのつかない現実。
そこから3Bに逆行して「狂うのなら〜」。
お前の瞳をみつめたまま(=顔が正面にある状態)
狂った結果(=過ちを犯した結果)
悲しく、壊れた現実がそこにあった(=取り返しのつかないことになった)
つまり
男性は、女性を手にかけ・・・

ってイメージできませんか?
そして
いま二人 ひとつになれるのさ
ひとつになれるのさ
永遠になれるのさ
ことが済んでハッと我に返った
男性も自ら・・・
望みどおり
「一つに」、「永遠に」なってしまうんです。
最後に
いかがだったでしょう?
物語は最悪な方向に進んでしまいました。
夜のハイウェイを走る一組の男女。
男性の強い思いとは裏腹に、女性は裏切り行為を暴露。
別れ話を切り出す。
怒りに震える男性は衝動を抑えきれず凶行に。
取り返しのつかない現実を目の当たりにして自らも・・・。
といった流れでしょうか。
もちろん純愛方向への解釈も可能でしょう。
いずれにしてもハッピーエンドな曲ではなさそうですね。
こういう解釈もできるのでは?など
ご意見あればコメント欄へどうぞ。(下までスクロールしてください)
ただし、単なる批判は遠慮願います。
あくまで僕の“一、解釈”であることをご理解ください。
万が一、氷室さんご本人から
「そんなつもりで書いてねーんだよ、バカヤロウ」
というコメントを頂けることがあれば
それは嬉しいです(笑)
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