楽曲で一番大切なものとは何でしょう?
コード?
リズム?
メロディ?
僕が楽曲において一番大切だと思うもの。
それは歌詞です。
もちろん歌詞がある場合だよ(笑)
歌詞を大切にしないミュージシャンは、ダメなミュージシャンです。
歌詞とはなにか
歌詞ってなんでしょう?
歌詞とは、メロディに乗せて歌う「言葉」の部分で・・
うん、それも正しいんだけど(笑)
歌詞=世界観
です。
世界観だからこそ一番大切なんです。
映画をイメージしましょう。
映画において一番印象に残るのは
登場人物のセリフだったり立ち居振る舞いでしょう。
背景だとか、小道具だとか、カメラワークだとか
プロットだとか
色々ありますけど、
やっぱりその映画の核を成しているのは登場人物であり
それが世界観なわけです。
楽曲も
メロディ、コード、リズム、アレンジ
色々ありますが
やはり世界観を一番出すのは歌詞なんですよ。
演奏への影響
僕は
楽曲を聴くときに歌詞に注目します。
楽曲を作るときも歌詞にこだわります。
楽曲を演奏するときも歌詞を読みこんだうえで、どう表現するかを考えます。
洋楽は?って言われると
まぁ、わかる範囲で。
訳詞も読みますが、ダイレクトに言葉の香りというかニュアンスは伝わってきません。
やはりその言語圏で生活をしたり、文化や慣習を知らなければピンとはこないでしょう。
このへんは諦めが肝心です。
だからコテコテの日本人の僕としては、日本語にはこだわります(笑)
このように歌詞にこだわるとどうなるか?
演奏が変わります。
マジで。
歌詞をしっかり読みこんで、イメージをする。
これだけで演奏がグッと良くなります。
上手くなるのではないですよ。
“良く”なるんです。
楽しい歌詞なら、楽しげな演奏に
悲しい歌詞なら、悲しげな演奏に
という感じで
世界観に寄り添った演奏になります。
上手い・下手とは違う軸の話です。
世界観を大事にしないと
僕が日ごろ感じていることの一つに
大胆にアレンジしたものは気にくわない、というものがあります。
全てではないけどね。
アレンジというのは、
コードを変えたり、リズムパターンを変えたり、メロディを少し変えてみたり
ということですが。
楽曲というのは、作る段階で歌詞を書いた人の想いがこめられています。
次に、その想いを表現するのに適しているであろうメロディやコードをつけていきます。
自ら歌う・演奏するなどの場合でも
楽曲提供で作詞・作曲者が別の場合でも。
この時点でかなり完成されていると思うんです。
だっていい加減に作るわけがないから。
ある想いがあって、それを最大限に表現するために練りに練っていくわけです。
おそらく他に選択肢はほとんど無いだろう、くらいのところまで
頭をしぼってしぼって、練りに練りあげたものを
他人がアレンジして原曲を超えることができるのか、って話です。
歌詞をしっかり読み込み、その世界観を最大限に表現しようと思えば
自ずと楽曲の方向性は決まってくるし、
アレンジしようと思っても、それなりに似たような方向性になってくると思うんです。
もちろん感じ方は人それぞれですよ。
でも差があったとしても
例えば、「雨」というワードに対して
小雨なのかどしゃ降りなのか、というような差でしょう。
「寂しい」とか「悲しい」といったワードに対して
祭りのお囃子のようなピーヒャラピーヒャラしたアレンジにすることはないはずです(笑)
原曲と同じような方向性ならアレンジする意味ないじゃーん、ってなるから
アレンジする側としてはガラッと雰囲気を変えたくなるんだろうけど。
そして、こういう話をすると
「原曲を先に聴いて、そのイメージが強いからアレンジ版が気にくわないだけしょ?」
って言う人もいるんですが。
アレンジ版から先に聴いて原曲があることを知ったとしても
やはり原曲のほうが良いなーと感じることが多いです。(あくまで私見)
例外として
原曲を作った本人が、ある程度時間が経ったうえでアレンジする
というのはアリだと思います。
昔と考え方・感じ方が変わった
昔はできなかった表現ができるようになった
演奏技術やテクノロジーが向上した
などがあるからです。
でも時を経て本人がアレンジしたからといって、必ずしも良くなるとは限りません。
世界観が台無しの一例
アレンジだけでなく、カバーをするときも要注意なんですよ。
以前、歌番組で最近のアイドルか何かの若い女の子が
山下達郎さんの「クリスマス・イブ」を
キャピキャピした感じで楽しげに歌っているのを見て
すげー腹がたちました(笑)
あれは
クリスマスイブに待ち合わせしている、もしくは来てほしいと伝えた想い人が来ないという
寂しい男・モテない?男の切ない心情を歌ったものでしょう。
いまどきギャルがキャピキャピしてどーすんねん、と。
全くわかっていない。
全くわかっていない!(笑)
インストものは?
歌詞が大事と言いましたが
当然、歌詞のないインストものの楽曲も沢山あります。
これらの世界観は?
主旋律が出しています。
歌詞があるなら歌詞
歌詞がないなら主旋律
歌詞があるものも主旋律(メロディ)は大事ですが
要は一番聞かせたいところ、一番届けたいところはどこやねん、って話です。
言葉がのっている以上は、言葉が一番わかりやすいですよね。
最後に
彫刻家ミケランジェロは
「どんな石も内部に彫像を秘めている。それを取り出すのが彫刻家だ。」
というようなことを言っています。
つまり
取るべき形はすでに内在している、と。
完成した姿は石が知っている、と。
楽曲も歌詞を書いた時点で、そしてメロディがのった時点で
ある程度、曲の形が決まっているのでしょう。
それを取り出すことができたときに素晴らしい曲になるのだと思います。
そしてアレンジやカバーを手がける人は
作り手がせっかく取り出した世界観を、もっと大切にしてほしいと思います。
では
ミュージシャンが、楽曲の世界観に寄り添った演奏をするためには?
レッスンではお伝えしています。
気になる方はお問い合わせください★
コメント