音符や休符の長さ 〜4種類だけ覚えれば読める〜

音符や休符の長さがいまいちわからないという人は多いでしょう。

音楽をやるうえで、楽譜を読むことはほぼ避けられません。

音符の読み方を覚えているなら、譜面を楽に読むコツはありますが
音符自体の覚え方を楽にするコツはありません

音符とは文字と同じだからです。

文字を一から覚えたように
数を一から覚えたように

最低限のところは頑張って覚えてください。

音符は

  • 個別の長さ
  • 足し算した長さ
  • 掛け算した長さ
  • 割り算した長さ


4種類で読めるようになります。

音符の読み方の4種類

音符の読み方を覚えた先には、新しい世界が待っています

音符とは何か

音符や休符とはなんでしょう?

「符」とは記号のこと。

つまり
音を出す長さを表す記号(音符)
音を休む長さを表す記号(休符)
となります。

先に書いたように文字と同じなので

「これは、こう読む」という最低限のルールだけは覚える必要があります。

ただし、それは決められた音符・休符の長さを覚えるという意味であって
どう読むか(捉えるか)は人それぞれです。

譜面を読むコツはこちらを参考に。
わかりやすい楽譜の読み方 ~数値や言葉で考える~

今回はあくまで“長さ”についてだけ解説します。

音符・休符の種類

それぞれの長さを見ていきましょう。

基本的には
音符と休符の名称と長さは対になっています。

4分音符と4分休符は同じ長さ
8分音符と8分休符は同じ長さ
になります。

全音符・全休符

まずは全音符・全休符から。

その名のとおり“全”です。
全てを治めし者(笑)

譜面は小節という単位で区切られていますが
全音符・全休符はそれ一つで小節内の全てを埋めつくします

小節という区切り

一小節の間一つの音をキープする、または
一小節の間まるまる休む、です。

全音符と全休符

ただし、4拍子を基準にされています。

3拍子のときの記載については
色々と言われているので後述します。

2分音符・2分休符

続いて2分音符・2分休符。

「にふん」ではありません。
「にぶ」と読みます。

二分している、つまり
半分にしているわけですね。

何を?
全音符を。

全音符・全休符の半分の長さ
が2分音符・2分休符になります。

2分音符と2分休符

小節内には2つづつ入ることになります。
2分音符1つと、2分休符1つでもOKです。

4分音符・4分休符

「しぶ」音符・休符です。

小節内を4分割しています。

この4分音符・休符が4つ入ることを
4拍子といいます。

4分音符と4分休符

8分音符・8分休符

「はちぶ」です。

考え方は同様で、小節を8分割。

8分音符と8分休符

リズム用語でエイトビートなんてありますが
あの“エイト”はここからきています。

8分音符で刻んでいるビートのことです。

16分とそれ以下

16分音符や、さらに分割した32分音符なんかもあります。

16分音符と16分休符

テンポにもよりますが、32分音符はあまり出てこない印象ですね。

なぜかというと、音数が多くなりすぎる(速すぎる)から。

テンポを表す指標として「BPM」があります。
「BPM♩=70」なんて記載したりしますね。

これはBeats per minuteの略で
1分間に4分音符を何回鳴らすか、という意味になります。

BPM♩=70だとしたら
4分音符を1分間に70回なので、32分音符は560回になります。

BPM♩=150だとしたら
4分音符を150回なので、32分音符は1200回になります。

1200回は、人間には無理です(笑)

ドラムだとBPM♩=110を超えたくらいから
シングルストローク32分音符はキツくなってくるんじゃないかな。

16分音符まで理解していれば、ほとんどの譜面は読めるので問題ありません。

音符の足し算

ここまでは個別の長さを見てきました。

冒頭で述べたように、音符を足し算する場合が出てきます。

このように、同じ音程の音を曲線で繋いだものを
タイ(=tie)」と呼びます。

前の音のタイミングで鳴らし、後ろの音まで伸ばし続けるということです。

タイの意味

4分音符と4分音符をタイで繋げば、全体としては2分音符の長さになります。

同様に、8分音符と8分音符なら全体は4分音符と同じ長さです。

譜面の区切りには
小節の区切りと、4分音符一拍ずつの区切り(縦線は無い)とがあります。

小節の区切りと拍の区切り

この区切りを音の長さがまたいでしまうときに
タイを使うわけですね。

またぐときには繋ぐ、というのは譜面を記載するうえでのルールです。

音の掛け算

さて、足し算は単純でしたが
掛け算ってなんやねんと。

これも難しく考える必要はありません。

音を掛け算する秘密のアイテム?が
付点」です。

読んで字の如く、点を付けます。

この「付点」は
ついた音符の長さを1.5倍にする、というルールです。

付点の意味

気をつけてくださいよ。
“ついた音の長さ”を1.5倍ですよ?

言い換えると
ついた音の半分の長さを新たに付け足すということになります。

4分音符に付点がついた場合は
4分音符の1.5倍、つまり8分音符3つ分になります。

8分音符に付点がついた場合は
8分音符の1.5倍、つまり16分音符3つ分です。

付点自体に音の長さがあるわけではなく
どの音符につくかで全体としての長さが変わるわけですね。

ドラ◯エで言うところの、バイキルトみたいな(笑)

音の割り算

さて、ここからがけっこう難しいというか。

感覚の問題になってくるので、多くの人が苦労するのが音の割り算です。

ある音符一拍を、何分割かにします。

と言っても、半分にするのはここまで見てきたので
偶数割りではなく奇数割りです。

3分割や5分割。
これらをそれぞれ3連符や5連符といいます。

できるだけ均一に3等分、5等分します。

3連符や5連符

もちろん7連符や9連符、
理論上は11連符や13連符なんかもありますが、テクニカル系の曲じゃないかぎり登場しません。

ただ最低でも
3連符だけは捉えられるようになっておいたほうが良いです。

なぜかと言うと
ハネたリズム(シャッフル、スウィング)に繋がるからです。

ハネたリズムは3分割したうちの、1個目と3個目の音を鳴らします。

ただしハネるときはきっちりり3等分とかにすると味気なくなるので、
ハネ方を、突っ込んだりモタったりすることで、曲の雰囲気をかえたりします。

まぁ、このへんはプレイヤーの個性だったりするので
今回はあまり深入りしません。

全音符・全休符問題

さて、先にのべた全音符と全休符ですが、
3拍子のときに何やら問題がおこるんですよ。

音符と休符。
小節内を全て埋めるといいました。

4拍子の小節を埋めるとしたら全音符は4拍。
そして、その半分の2分音符は2拍になります。

これは問題なし。

ところが
3拍子の小節を全部埋めるとしたら全音符は3拍。
半分の2分音符は・・・1.5拍?

2分音符や4分音符などのその他の音は
何拍子であろうと長さは変わりません。

ということは「全」の名のつく全音符も
4拍ということになります。

小節内を埋めるといっても4拍子のときだけで
3拍子のときに全音符は使いません。(使っていいという記述もたまにある)

ただし、全休符は3拍子のときも使用します。

ややこしい・・・

最後に

一通りの音符・休符の読み方を解説しました。

基本的にはこれだけの知識で譜面は読むことができます。
まずは、とにかくそれぞれの長さや意味を覚えましょう。

ただし、それは読み方のルールであって、どう捉えるかはまた別の話です。

人によっては
真面目に正攻法で捉えるより、ちょっと変わった方法で捉えたほうが
うまく感覚として理解できる場合もあるかもしれません。

譜面がスラスラ読めない人は、見方を変えてみるのもオススメです★

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