僕はジミヘンが嫌いでした。
どの業界でもそうですが、いわゆる“レジェンド”を嫌いとかって発言をしようものなら
「お前は何もわかっていない」
「センスない」
「お前のほうが凄いのかよ?」
などと、総攻撃をくらいます(笑)
別に、好き・嫌いに関しては好みの問題なんだからいいじゃん、って思っています。
「ダメ」「下手」などの批判と
「嫌い」「苦手」などの好みの問題
は根本的に話の軸が違うんですが。
その違いがわからない人が一定数いるわけですよ。
ちなみに犬の話じゃないよ。
Jimi Hendrixだよ。
Jimi Hendrixとは
Jimi Hendrix(ジミ・ヘンドリクス)
言わずと知れたスーパーギタリストですね。
当時としては斬新なサウンドと爆音で観客を魅了し、いわゆる「ハードロック」の基盤を作ったような人です。
1942年、アメリカのワシントン州に生まれます。
15歳からギターを開始、数々の大御所のバックを務め
「The Jimi Hendrix Experience」というバンドでデビュー。
観客の度肝を抜くパフォーマンス(ギターを歯で弾く、背中に回して弾く、ステージ上で燃やす)が注目されがちですが
確かな演奏テクニックと、類い稀なセンスを持っています。
1970年、睡眠中に死去。(アルコールと睡眠薬の影響とされる)
なにが嫌いなのか
僕はなぜジミヘンが嫌いなんでしょう?
僕は物事をハッキリさせないと気が済まないたちなので
好きなものも嫌いなものも、自分なりに理由を探るようにしています。
思いつく限り、いくつか挙げてみたいと思います。
ジミヘンの声
まず、声が嫌いです。
ちなみにEric Clapton(エリック・クラプトン)の声も嫌いです(笑)
Bob Dylan(ボブ・ディラン)の声も嫌いです。
曲が悪いとか歌が下手とかではありません。
理由がわからんけど、とにかく好きじゃない声です。
ジミヘンが歌わないギタリストだったら、もう少し僕の中で評価が違ったかもしれません。
ミュージシャンではないけど、バスケット選手の八村塁さんの声も嫌いなことに気がつきました。
タレントのボビー・オロゴンさんの声とかも。
苦手な声の一つに、「野太い声」があるんだと思います。
八村さんもボビーさんも、ちょっとジミヘンの声に似ている周波数成分があるからね。
ある特定の人種に対してどうこうじゃないよ。
Stevie Wonder(スティーヴィー・ワンダー)とかDoris Troy(ドリス・トロイ)好きだし。
ジミヘンのサウンド
声も苦手なんですが、音が嫌いです。
というか僕ね、ワウが嫌いなんですよ。
だから、ワウを多用するギタリストや楽曲は基本的に嫌いなんです。
「Voodoo Child」とか、のっけから無理(笑)
好きな人にはたまらないサウンドなんでしょうけどね。
当時としては斬新だったし、
客観的に判断すれば、確かにカッコいいとは思います。
ちなみにワウというのはギターの音を変えるエフェクターの一種で。
ペダルを踏むと高域が強調され、ペダルを戻すと中低域が強調されます。
ペダルをくり返し踏んだり戻したりすることで
なんだかウネウネしたような「ワウワウ」と聞こえるようなサウンドが得られます。
ジミヘンの演奏スタイル
演奏スタイルも気になります。
まず何と言っても
右利きなのに右利き用のギターをわざわざ左利きの向きで弾く、という
ちょっと理解しがたい逸脱っぷりが嫌いです。
これは、天才ならではの感性に対する嫉妬かもしれません。
えぇ、所詮僕は凡人ですよ(笑)
あと、左手の角度。
ジミヘンは左手でピッキングします。(右利きなのに)
その左手首の角度が気になります。
けっこうキツイ角度で弾いているんですよね。
多分、ピッキングのアングルをいわゆる逆アングルにしているせいだとは思いますが。
僕は身体操作という観点から、
できるだけ身体に負担をかけない楽な演奏というのを研究しているし
レッスンでも展開しています。
だから、こういう「キツそうな弾き方」というのに違和感を感じます。
本人は気にしていなかったのかもしらんけど。
特別、身長が大きいとかなら話は別だけど
ジミヘンはそこまでデカくありません(180cm弱)。
僕とほぼ同じです。
僕は手が長いほうなので、同じ身長の平均的な腕の長さの人よりは融通がきくんですが、
その僕が「キツそうだなー」と思う角度なんですよ。
このあたりがモヤモヤします。
イメージと違った
インタビュー映像で
「僕がよくミスをするのは常に何かを生み出そうとしているからだ」
みたいなことを言っていて
「なんだ、この人意外と普通じゃん」
って思ったよね(笑)
派手なステージパフォーマンスや、他を寄せ付けない独創性からか
「俺様」的な傲慢タイプかと勝手に思っていたんですが。
謙虚だし、ジョークなんかも言うし。
不安とプレッシャーで、ステージに上がるのを拒否するようなこともあったようで。
練習しますか?という問いに対して
「練習とかではない」
「自分に向かって弾くのが好きだ」
「ただジャムっているだけ」 ※ジャムとは即興演奏のこと
などの回答。他にも
「フレーズを覚えるのは苦手」
「楽譜はよめない」
ってな具合で。
まぁ、このへんは天才タイプのあるあるだったりしますね。
特に「練習とかではない」「自分に向かって弾く」ってのはよくわかります。
自分が納得いくように、自分が満足するまで、ひたすら弾く。淡々と。
これが気がついたら練習になっていたりします。
他人からしたら練習している・努力しているように見えるんですが本人はそうとは思っていません。
非常に共感できる回答です。
「褒められたいからやっているんじゃない、褒められたらダメになる」
これも素晴らしい。
まさにその通り。
作品や見た目にだまされるな
僕はいわゆる「食わず嫌い」な判断はしません。
とりあえず「食ってみる」派です。
ジミヘンもちゃんと「食って」、つまり聞いて、分析したうえで
嫌いだなーと思っていました。
今回に関しては食い方が足りなかった。
というか、食える部分は食っていたんですが、本人の考え方や感じ方など、
演奏や作品からはなかなか見えてこないものは食いようがありません。
最近は動画コンテンツなどで、そういった一歩踏み込んだ情報まで知ることができます。
作品や見た目に惑わされて「食わず嫌い」をするのは思わぬ損失かもしれないので注意しましょう。
僕が言うのもなんですが。
最後に
ジミヘンって熱狂的なファンが多いし、レジェンドだし。
なぜレジェンドなのか、って考えたらそれ相応の功績・実績があるからで。
それはわかっているんですが、だから何?っていう(笑)
好かんもんは好かんのですよ。
だから今までブログで取り上げたことがありません。
「27クラブ」でちょろっと出てきたぐらい。
楽曲を聴いて分析して、その上で人柄なんかも深掘りできて初めて魅力がわかるのかな、と。
面白い時代になってきましたねー。
嫌いだったアーティストを、再度深堀りしてみようかな。
ジミヘンの人柄は好きになりました。
それを踏まえた上で、もっと深くまで聞いてみようと思います。
多分、声は好きにならんけど(笑)
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