自分のレベルを知れば上達できる

出典:「SLUM DUNK」井上雄彦 / 集英社

下手糞の 上級者への道のりは 己が下手さを 知りて一歩目

言わずと知れたバスケット漫画
SLUM DUNK」の登場人物、安西先生のありがたいお言葉です(笑)

もう、全てに通ずる格言ですよこれは。

楽器でもスポーツでも、なんでもそうですが
自分が好きなものを上達させようと思うなら、一番大事なことは
「自分のレベルを知ること」です。

当たりまえじゃん、って思うかもしれんけど
本当の意味では、理解できていない人が多いです。

自分のレベルを知るためには、これでもかというくらい、徹底的に細分化して分析することが大事になってきます。

自分のレベルを知らないとどうなるか

上達したときの本当の感覚」でも書きましたが、自分のレベルを知らないと自分より上手い人たちとの差を見誤ります。

自分のレベルが上がるほど、自分より上の人との差が細かくわかってきます。

下手なうちは、その差をあまり正確にとらえることができません。
どうかすると自分の方が上手いなんてとんでもない勘違いをする人もいます。

僕の知人で、お世辞にも上手いとは言えないギタリストが

「俺の実力はジミヘンよりちょっとだけ下だよ」
と本気で宣っていました。

ボケではないよ、マジでだよ(笑)
ありえんでしょ。

ちなみに彼はオタク界隈で人気なバンドのギタリストで
けっこうファンがいます。

勘違いしている人が多いですが
売れている=上手い
ではありません。

悲しいかな
下手でも売れる人がいるし、
なんでこの人が、と思うくらい上手い人が売れていなかったりします。

では、なんで下手なのに売れる人がいるのか?

リスナーの大多数が
「楽器ができない」または「アマチュアレベル」
だからです。

聞いている側も演者のレベルを見誤っているわけです。

自分のレベルを知るには

自分のレベルを知るにはどうしたらいいでしょう?

ゲームのように「Lv:◯◯」とか具体的な数値では表せないし
レベルが上がった時にパパパパッパッパッパーンと例の音楽が鳴ったりもしません(笑)

何ができるのか、何ができないのか。
そしてできることに関しては、どれくらいできるのか
ってところを見極めていく必要があります。

しかし、これがまた曲者で
そもそも「できる」っていう状態を見誤る人が多いんです。

なぜなら、弾いている最中は
弾くことに意識の大部分が持っていかれるから。

弾きながら、客観的に自分の演奏を分析するというのは不可能です。

いやまぁ、ある程度の分析は慣れれば可能だけどね。
100%完全に客観的に分析、はどんな一流でも無理なわけですよ。

自分の演奏を客観的に「聞いて」
自分の演奏を客観的に「見る」
にはどうするか?

録音と鏡です。
または動画の録画なら一発です。

今はスマホで簡単に録音・録画ができる時代だからね。
これを活かさない手はない。

昔はチョロっと録音するのも大変だったんだよ(笑)

そういう意味では今の人たちは上達しやすい環境にあると言えます。

録音・録画して客観的に自分の演奏を捉えるところから始めましょう。

具体的な方法

では録音したものをどう聞けば良いか。

まずリズムに注目します。
ちゃんとリズムどおりに、テンポどおりに弾けているか。

リズムどおりにというのは自分が弾きたいフレーズがちゃんと形になっているか、という意味ですよ。

グルーヴとかノリみたいなのはまた別の話なので。

リズムもテンポもまぁ問題ないな、と思うなら次にニュアンスに注目します。

これが最重要。

結局、かっこいい・かっこ悪いはニュアンス次第だからです。

コピーしたい曲があるとして、元の音源と自分の演奏をこれでもかというくらい
聞き比べします。

音量、音の長さ、スライド・プリング・ハンマリング
チョーキングをしているなら変化のカーブ(音程を上げ下げする速度)

こういったところを必死に聞き比べます。

よく耳コピなんて言いますが、コードやフレーズの形がわかればOKではなく
こういったニュアンスまで拾えて初めて「耳コピ」と言えるんだと思います。

次に見た目です。

鏡または動画などで自分が弾いている姿をしっかり見ましょう。

できれば手元と身体全体が見えたほうが良いです。
なので鏡であれば手元用と全身用。動画なら手元と全身で別録りしましょう。

なんかぎこちないところがないか、無理なフォームになっていないか、もっと効率のいい動かし方はないか。

こういったことを考えながら自分の弾く姿を分析します。
このときは他者を参考にするのはやめたほうがいいです。

なぜなら身体のサイズが違うから。

手の大きさ・指や腕の長さが違うのに、形だけ真似しようとしても負担がかかるだけです。

自分の身体にあったフォームをあれやこれやと試行錯誤しましょう。

最後に

自分の演奏を客観的に分析するための“手段”を解説しました。

客観的に「見る」
客観的に「聞く」

そのために録音・録画する。

気づいた人もいるかもしれませんが、これはあくまで手段ですよ。

録音・録画したものを客観的に分析する「分析能力」みたいなものはセンスだったりするので

録音・録画をしたところで、分析能力のない人はどうにもなりません(笑)

客観的に指摘してくれる人に頼るしかないです。

レッスンでお待ちしています★

コメント