なぜあなたはチョーキングができないか 〜チョーキングのコツ〜

あなたはチョーキングができなくて悩んでいますよね?

僕には手にとるようにわかりますよ。

だって、この記事を読んでいるからね(笑)

チョーキングができない理由はずばり

原理がわかっていないからです。

練習不足とか、指の力が足りないとか、色々思うかもしれませんが(実際にそれも問題の一つだけど)
最終的には、原理が理解できていないから、に収束します。

詳しく見ていきましょう。

チョーキングとはなにか

チョーキングとはchoke つまり「窒息させる」「塞ぐ」といった意味です。

といってもプロレス技のアレではありません。
ちょっとテンション上がったプロレスラーの方、ごめんなさい。

弦を押し上げる・押し下げるなどして音程を上げる奏法のことです。

弦のテンションに負けないようにグーッと「締め上げる」ようにするので
チョーキングという名になったんだと思いますが。

違うんかな。

英語圏ではbendingって言います(笑)
まぁchokeというのもあったみたいです、最初は。

bendとchokeという二つの奏法・意味合いがあって、いつのまにか英語圏ではbendの方に統一されたようで。

日本では逆にchokeの方に統一されたんですね。
ややこしい。

ギターは、フレットレスでない限りデジタルな楽器です。
つまり音程がしっかり区切られています。

あるフレットの1つ高い位置にあるフレットは、絶対に半音高くなります。

スタートがドだとしたらド#が出ます。
ドとド#の間のわずかな音の変化は出せません。

が、チョーキングを使うとこのわずかな音程の変化が出せるようになります。

つまりフレットというデジタルな枠を越え、アナログになるわけです。
理論上、ド〜ド#間の無限の音程が出せます。

チョーキングの原理①

ではチョーキングとはどういう原理で、どういう効果があるのかを見ていきます。

ギターの弦はペグブリッジ部分(ギターのタイプにもよる)で固定されています。
このとき弦には張力がかかっています。

そしてナットブリッジ(赤丸)
の間で振動します(水色矢印)。

ギターの弦振動

あるフレットを押さえたら(緑星)、そこからブリッジ部分までが振動します(ピンク矢印)。

フレットを押さえて音程が変わるのは、弦の振動する長さが変わるからです。

何も押さえていないとき、または普通にフレットを押さえているときは
弦の並びはネックと平行です。

これをチョーキングすることによって、弦をひっぱり(張力が増し)、音程を上げます。

弦をひっぱる様子

ナット〜ブリッジ間の振動する距離が変われば音程が変わりますが
張力が変わっても音程は変わります。

弦を張り替えてペグをどんどん回していくと、フレットを押さえなくても音程が上がっていくでしょう。
あれと同じ原理です。

前述したように目的の音まで細かく区切れば無限の音程が出せます。理論上。

これにより多彩な表現が可能になります。

半音だけ上げる、4分の1音だけ上げる、2音上げる。
ゆっくり上げる、急激に上げる、など。

フレーズに応じてチョーキングのニュアンスをどう変えるかが
ギタリストの腕の見せ所です。

ちなみに低音弦方向に上げようが高音弦方向に下げようが、弦の張力が増しているので音程は上がります。

演奏中に音程を下げたければ、ペグを回して弦を緩めるかアーミング(ダウン)するしかありません。

当たり前ですが、ペグを回すと元に戻さないかんので
よほど耳に自信がないかぎりはやめておきましょう。

チョーキングの原理②

では次に具体的なチョーキングのやり方を見ていきましょう。
ポジションによって多少やりやすさが変わってきます。

一番やってはいけないのが指の曲げ伸ばしです。

指の曲げ伸ばし程度の力で弦を押し上げるのはかなり難しいんですよ。

難しいんだけど、映像などではパッと見、指の曲げ伸ばしをしているように見えるので
初心者の人はついつい指でやっちゃいます。

チョーキングは指の曲げ伸ばしではなく、手の平自体の動きで行います。

手の平自体を持ち上げる、または人差し指の付け根を支点に回転させる
のどちらかです。

回転の方はよく「ドアノブを回す要領で」と言われます。

自分のチョーキングが指の曲げ伸ばしかどうかを判断する方法は
手の平のこのあたりがネックについているかどうかを見ましょう。

手のひら

ここがネックにベッタリついている状態から
手首を押し上げて弦を持ち上げることができますか?

できんよね(笑)

この状態から弦が持ち上がるのであれば、それは間違いなく指の曲げ伸ばしをしています。

手のひらを付けている=隙間がない=手首を持ち上げるスペースがない

となると、あとは指を使うしかないでしょう?

大事なのは、手首を持ち上げるスペースを確保すること。

逆に言うなら

指の曲げ伸ばしをしなきゃいけないような状況を作らないこと、です。

ただし、指の曲げ伸ばしを全く使わないわけではありません。

弦を押し上げる抵抗に負けないくらいの最低限の力は入れています。
つまり指を伸ばす方向に。

そして補助的な意味でも多少の曲げ伸ばしは行います。

曲げ伸ばしをメインにするのではなく、手の平の動きをメインにできるかどうかがカギです。

チョーキングの原理③

ここまでは動きの原理を見てきましたが、

そもそもの話として、チョーキングとは狙った音程に到達するまで弦を押し上げるものです。

つまり、チョーキングは耳で行います。
目標の音程に当たったかどうかの判断を下すのは耳です。

手の動きが改善するだけではチョーキングは上手くなりません。

チョーキング最大の難点はここにあります。

いくら手の技術があったところで、音感のセンスがなければグダグダになります。
だって音程が合わんからね(笑)

結局、チョーキングの上手い・下手は音感のセンスだったりします。

目的の音に対してチョーキングの音がぴったりだとこんな感じ。

目的の音に対してチョーキングの音が低いとこんな感じ。

目的の音に対してチョーキングの音が高いとこんな感じ。

耳コピ・音感・落とし穴」の記事でも書きましたが
音程の違いがわからない人はひたすら訓練するしかないです。

最後に

エレキギターでのチョーキングは
アコギで押さえるFコードとやBコードと同じくらいの挫折ポイントです(笑)

いやそれ以上かも。

とにかくできない人が多い印象です。

まずは仕組みを理解したうえで丁寧に練習していきましょう。

ここに書ききれない細かい注意点やテクニックもあるので
気になる人はレッスンにお越しください。

サブスクでもどうぞ★

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